元夫と行く湯治旅2022 18日目 東鳴子温泉(宮城県大崎市)
旅に出ると普段考えないようなことを色々と考えてしまう。それもまた人が旅に出たくなる理由のひとつかと思う。楽しむレジャーとしての旅もあるだろうが、自分と向き合うのもまた旅だ。アウェーに出てひとりっきりになったとき、自分を取り囲む安心はなくなるけれど、不安もまた棚上げされる。そうなると心のどこかがぽっかり空いて、そこに旅先で感じたことがガンガン注入されて熟成される。熟成されるだけの時間は必要だ。1泊2日ではすぐ日常に戻るから、そこはやっぱり長期で行ったほうがいい。
日本国内よりも海外へ行ったほうが刺激がある、というのは分かる。分かりやすく異文化だもの。けれど、日本国内でも異文化であると知ると、これはもう猛烈に面白い。札幌や仙台、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、福岡といった都会ではちょっと分からない。そこから外れるのだ。できれば歴史的な曰くのある土地がいい。そうは言ってもだいたい日本国中、ベッドタウンや団地でない限り、どこにもそれなりの歴史があるから心配はいらない。むしろそういう場所の歴史文化にこそ心を震わせたりする。
海沿いの町は北前船など江戸の交易の歴史があるし、山の町には鉱山や材木を起点とした杣やマタギの歴史、温泉地だって明治になっての軍の歴史があったりする。縄文や弥生の古来の土地もあれば、戦国の騒乱の舞台になった村もある。古墳の町もある。どこにも寺があるし神社がある。とにかく、古い田舎ほど間違いなくなにかしらある。「私をもてなして楽しませてくれよ。ホレホレ」と言う人には向いていないが、私は農とそれにまつわる民族史に興味があるから間違いなくどこへ行っても面白い。
ここ、東鳴子には日曜日に入って今日で4日目だ。もう4日経ってしまった。あっという間だ。実はちょっと疲れてきている。ここ旅館大沼は3年目で、自炊もしているから言わばホームなんだが、それだけにここまで来てちょっと緊張の糸が切れたようになっている。頭が痛かったり、なんかだるかったりだ。そりゃ旅に出ているのに毎日メールをチェックして取引先とやりとりしたり問い合わせに返信したり、売り上げの推移を見たり、スタッフとMTGしたりしている。場所が違うだけで普通に仕事をしている。毎日だ。いいかげん嫌になってきている。ワーケーションくそくらえだ。
しかし、今回はそれを承知でここに来ている。スタッフには旅先でも逐次仕事をするからと言ってあるからみんな安心して働いている。なにかあれば私がすぐ対応すると信じているからだ。しかし、冷静に考えて旅の楽しさは半減以下だ。私は1ヶ月旅に出ることができた。とはいえ、内容としてはお粗末きわまりない。
となると、次の目標は「旅に出たときに仕事しなくてもいいような旅にする」だ。さすがに1ヶ月は無理かも知れないので、まずは2泊3日でPCなしで連絡もなしで行けるようにしたい。目標が叶えばまた次の目標ができるものだな。
今日は古川の「sakura no ma cafe」というところへ行くので、早めの昼ごはんの準備。ネギとシャウエッセンでチャーハン。
いただきもののたくあんとポテトサラダ。あとは昨日の残り。
駅へ向かう。
古川の駅には新幹線も止まる。スーパーマーケットがあったそうだが、今は閉店してるらしい。
数年前、知り合った佐々木さんの経営しているお店へ。古川の駅まで迎えに来てくれた。ありがとうございます。
看板犬のロコちゃん。毛の密度がすごい。
今回は自炊にオイシックスも使ってみようと思って宿まで届けてもらった。
サラダ用の野菜、卵、牛乳、けんちん汁のキットとか。
今日は宿が休みで、宿泊客は自炊部の私と武司だけ。なので、混浴の千人風呂に入り放題。
千人風呂は女性専用の時間帯もあるけど、普段は混浴です。湯けむりでほとんど見えんけどな。