すべては不自由から生まれる。 -広告表現と今 vol.5 -
コピーライターを名乗りはじめて以来10年以上
その職能人口の少なさ珍しさもあってか、
打ち合わせや取材先では、興味関心を抱いていただけることが多い。
対面者のリアクションを見続けた実感として、
一般の”コピーライター”への意識・イメージは3タイプに分けられる。
1.そもそもコピーライターよくわかんない。
「コピーライターに初めて会った」と言われることが多く。何をしているかイメージが湧かない様子で「文章書く人?」くらいの認知。
2.面白い言葉、文章を考える人。
奇をてらった文章、レトリックの効いた言葉、膝を打つような名文。を直感とセンスと深い専門知識で次々に書き上げる才能の塊。選ばれしもの。
3.糸井重里
とにかく糸井重里。名刺交換直後の相手の「い」の息遣いで分かるほどにまでに糸井重里。筆者は同郷の群馬出身コピーライターというだけで「筋(すじ)が良い」と褒められたことがある。
つまりは、よく知らない(笑)。
1と3はともかく、2は大いなる誤解であり、問題である!
コピーライターはセンスというより
訓練からなる技術職の一面が大きいことを
いつかもっと大きな声で言いたい。
そして、コピーライターだからって、
膝ポン必至の名文ばかり書けるわけじゃねーぞと付け加えたい。
(この誤解が今回noteをはじめるにあたって、自意識肥大系コピーライターの障害となった。)
広告クリエイティブには必ず案件ごとに制約、抑えるべきポイントがある。
分かりやすいところでは、コンセプト、ターゲット、商品特長、など、
さらには、市場トレンド、競合状況、出稿媒体、ブランド成熟度、時代の空気感など、考慮すべき条件が無数にある。
機能するコピーやデザインの制作に取り組むすぐ裏では、考慮すべき条件にそぐわないコピーやデザインが自動的に決定している。
つまり広告クリエイティブは、右脳的なセンス以前に、左脳的でロジカルな思考が欠かせない。
視点を変えれば、
制約・条件がなければ、コピーライターは動けない。
椅子に座らされた江頭2:50状態。
だからnoteというルールなき大海原に漕ぎ出すにはとても勇気がいった。
優等生ボクサーがなんでもありのストリートファイトの現場で何ができるのかと。
ともかく、
制約・条件が新しいクリエイティブに必要な要素だとするならば、
不自由が多めのwithコロナ時代。新しい価値が生まれることは必然で、
そしてそれは不自由を正しく理解することで、より鮮明になってくるのかもしれない。
++
テクノロジーによる最適化を疑い、自分の頭で書きながら考えるために。
このnoteは「ブックカバーチャレンジ」にチャレンジ感が足らない問題に端を発した、「”ブックカバーチャレンジ”チャンレジ」のモチベーションにより運営されています。
広告・デザイン業界の成長過程でよく見聞きした広告表現を通して、今の世(ニューノーマル)の雑感をつぶやきます。
note。
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