エンタメ業界における『後発優位性』の例について考えてみた。
こんにちは。演劇・エンタメ分野をビジネスの視点で語るAsakawaです。
以前、書いた記事に「エンタメ業界における『先発優位性』の例について〜」というテーマの記事を書いたのですが↓
その『先発優位性』と対をなす言葉として『後発優位性』なんて言葉もあります。
今回はその『後発組』の優位なところはなんなのか?をテーマに考えていきたいと思います。
後発優位性とは?
要は先例をよく観察して、ここはもっと良くできるんじゃないか?改善できるんじゃないか?とあれこれ考えられて、よりブラッシュアップされた商品を最初から送り出せるので、いきなりこっちの方が優れていますよ〜と訴えられることができるわけですね。
またこの分野はある程度は受け入れられている、盛り上がっていることが確定しているので一定数の人が興味を既に持っていること、どんな商品かイメージが出来ているところからスタートします。まだ世に知られていない商品の良さをアピールする苦労もないのもメリットでしょう。
ではこれをエンタメ業界に当てはめた時にはどんな強みがあるか?と考えた時に、もしかしたらそう一筋縄でいかないかも・・・と個人的には思っています。
それはなぜか?理由の一つに・・・、
値段、機能性という側面で優劣が決まるわけではない
別の分野、例えば家電の商品であれば、双方が同じ性能なら値段が安い方を選ぶことはよくある事です。
が、エンタメの世界って別にチケット代が安いに越したことはないけど、高くても会いたいから行く!という選択をする人は珍しくないですし、
別に歌が、演技が上手い人を見つけたからそっちに乗り換えよう、なんてことは実はそうそう起こらないと思っています・・・😓
値段が安い、技術が高い、上手い、コンテンツの質が高い、それとは別のところの魅力でファンを獲得している場合も多々ある、それがエンタメ業界だと思っております。
演技は、歌は平均値くらいで、このくらいなら他に上手い人はいくらでもいるだろうなって印象だけど愛嬌が良くて応援したくなる、特に飛び抜けた特技はなくても容姿が頭一つ抜けている等、技術的、機能性ではない所で勝負をして大きな人気を獲得している人もたくさんいるのです。
そうなってくると後発組は何をすれば良いのでしょう?
先発組より質の高いコンテンツを提供したり、パフォーマンスをすれば必ずしもシェアを奪えるわけではない・・・やはり後発組もその先駆者が作り上げてきたもの以上のもの+自分にしかないオリジナリティを見出す必要が出てくるのです。
引用した文の、
この部分がほぼ必須ってわけですね。単純に既存のもののグレードを上げればいいわけではないのです。
そういう意味では『声優』さんは時代と共にどんどんレベルアップして遂には芸能人、人気歌手と殆ど変わらない地位にまで登り詰めました。
1、顔出しはする必要なし。作品の質を高めてくれる演技さえしてくれたら良い。
2、上手い演技+キャラソンも歌うことが多くなったから歌は上手い方が良い
3、演技力と歌唱力+声優さん出演のイベント・ライブを開くことも多くなり大衆の前に姿を晒すようになったから容姿も整っていた方が良い
4、この流れで以前であればやって来なかったような人材、普通にアイドルや歌手としてやっていけるような容姿を持った人達が参入して来て、いよいよ演技+歌+ダンスは出来ないと駄目で、容姿も抜群でという風潮が強くなってきた。
5、そんなパフォーマンスを披露するライブ・イベントの規模が武道館や〇〇アリーナなど大規模になり、全国ネットのテレビに顔出しで出演することも決して珍しくなくなった・・・・、
ここまで成熟してしまったらこれから入りたい人は何をプラスすれば良いのでしょうって感じですね💦
しかしこの声優さんの例は、まだ成熟していなかった世界がどんどん新しいものを加えて急成長、伸びていった分かりやすい例だと思います。
こんな場所がまだあるかと言われたら現代ではなかなか探し出すのは大変だということで、後発組はなかなか大変だな〜と先に述べたわけであります。
が、唯一の強みとして膨大な優良サンプルがあちらこちらにあのでそれを参考にするだけでも、いきなりそれなりのクオリティがあるコンテンツを作れてしまうのは、恵まれているといえば恵まれています。
動画サイトがまだ普及していなかった頃はひどい画質のものも多く、高画質の動画を上げるだけでもすごいっって言われましたからね 笑
そんな初歩的な苦労はすっ飛ばして、あとはいかに自分だけにしか創れないコンテンツを生み出すことができるか?に専念できるのでそれが一番大変なんだけど、そこに最初から時間をかけることができるのは決して悪いことじゃない。
後発組の恩恵はやはり成功事例、失敗事例を事前に把握できることではないでしょうか?
これを駆使できるかが鍵だと思います。
それでも俳優・声優、歌手・アイドルなど生身の人間を全面に出している分野は先輩方を参考にしたって、その成功を再現できる可能性はかなり低いのでやはり厳しいところです・・・。
これが優位に働くのは小説家・漫画家・脚本家など作者の人間性・容姿よりも作品の質が求められる分野でしょうかね?それでもこのくらいのクオリティだったら、別の先に活躍している作家さんに任せれば十分ですと言われることもあるので、楽ではありませんが。
ということで現代のエンタメ業界で後発組が優位に働く場面はあまりないという結論になりました。
希望として逆にこんな隙間がない環境でもやってやるぜ!と意気込み本気で取り組んで芽が出た人はきっと本物なことでしょう!
昔よりは数は少なくとも、今後もあっと驚かせるコンテンツは出てきてくれると信じています。
では今回は以上になります。最後までお読みいただきりがとうございました。
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