『売れていなくても』俳優活動を続けられている人はもしかしたら『お金持ち』かもしれない
こんにちは・演劇・エンタメ分野にビジネス要素を絡めて発信しているAsakawaです。ここではエンタメ活動と経済的安定の両立をさせるにはどうしたら良いのか?といったテーマでよく記事を書いています。
おそらくほとんどの人はエンタメ活動による収入が少ないため経済的不安を抱えながら活動をしていると思われます。
特に演劇の、舞台活動を中心にしている人は拘束時間やかかる費用に対して収入はゼロなんていう話も珍しくないので、継続するのは困難です。
どのくらい見合っていないか簡単に説明すると・・・、
稽古は本番約一ヶ月前から始まります。休みは劇団、団体によって様々ですが二週間に一回くらい、或いは今日は早めに切り上げましょうと解散が早めの場合もありますが基本は本番までほぼ休みなしと思っていただければ。
一日の稽古時間もこれまた様々ですが私の経験では午前11時から始まり長い時は夜10時までという日がありました。大体の稽古場は夜10時以降は貸し出しをしていないのでこれ以上、遅くなることはないです。
本番の期間も当然、その公演によってバラバラなのですが短くても3日間はあるのではないでしょうか?私は一週間でした。で、土日祝日は昼、夜と二回やり平日は夜の7時のみの公演っていうパターンでした。
夜公演のみの場合は集合時間が午後3時からと比較的ゆっくりできますが、だからと言って午前中は別の仕事をなんていう精神的余裕はきっと俳優自身にはないと思います。
要は稽古が始まれば本番までほぼ出演舞台のことで時間は費やされるわけですが、そこにはどれだけの支出が必要なのかといいますと・・・、
・稽古場と劇場までの交通費
通い詰めになるので一ヶ月間の定期券を買った方が安い場合もあります。交通費を節約したい人は自転車で来ていました。
・自分が着る、使う衣装や小道具
これは劇団や団体によっては用意、お金を出してくれますが衣装に関してはサイズの問題もあるので申し訳ないですけど自腹でお願いしますと言われる場合もよくあります。小道具であれば別の公演でも流用できるのですが、衣装は難しいという判断からです。私は養成所時代に企画された舞台で本番が終わったら二度と着ることはなかった服を買ったことがあります。
このように舞台に立てば立つほどそのために買った服や物がどんどん溜まっていきます😓
主にこの二つなわけですがこの舞台出演を「仕事」と捉えるなら交通費は一般的にはアルバイトでも支給してくれますし、仕事のためにかかった費用も会社が出してくれますが俳優を始めとしたエンタメ活動ではこれらを出してくれることはあまりないのは覚えておきましょう。
それでも舞台に出演したことによる収入でそれが賄えれば良いのですが、そんなことは稀です。なぜならその収入は基本、自身が売ったチケットの枚数で決まるからです。
・チケットノルマを達成できなかった分のチケット代
ここで新しい項目の登場。何度も言いますように待遇の良し悪しは全てその劇団、団体によって決まります。なのでこの以前にも取り上げたチケットノルマも課せられない所もあります。私がそういう舞台に立ったことがあるので間違いないですが、もしもチケットノルマが達成できなかった分は自腹でお願いしますという舞台に立ってしまい何枚かのチケット代を払うことになったのであればもう黒字になることは望めないでしょう。
舞台というのは出演するだけでギャラが貰えることはこれまた稀ですので。全てはチケットを売った枚数で決まります。かかる費用に対して入ってくるお金があまりにも見合っていない催し物になります。
それは個人でも団体としてもです。その辺のことはこちらの記事で詳しく書かれています↓
ここまでで舞台出演とはかかるお金に対して、入ってくるお金があまりにも少ないとはご理解してくれたと思いますが、それでも舞台に立ち続けている人はいます。
7月稽古、8月本番の舞台に立った後になんと9月稽古、10月本番の舞台と立て続けに出演した知り合いの俳優もいました。
そんな人に聞いてみました。
「その間、どうやって生活費を稼いでいるのですか?」と。
返ってきた答えが、
「そんなのあれだよ、親に頭下げて仕送りしてもらっているんだよ」
だそうです。
実は俳優活動を続けられるための条件として親が裕福で、できれば実家暮らしならたとえ売れていなくてもなんとか続けられると言われています 笑
これは声優界隈でも同じみたいで恥ずかしがることなく「親に頼れ!」とまで言う人までいるとか・・・😅
どんなに出演をしても儲かることのない舞台。それでもある程度は長く続けられる人は一周回って『お金持ち』なのかもしれませんね。
両親が、という注釈付きで 笑
(現に親が会社経営している人と会ったことあります)
もちろん稽古期間中も深夜帯で働きながらギリギリのところで続けている人もいます。
ちなみになぜ彼らはそれでも舞台に立ち続けるかと言いますと、舞台が大好きというのもあると思いますが残念ながら舞台くらいしかコンスタントに出演できる、演じられる場所がないという現実的な問題もあるのです。
逆になぜ出演者にまともなギャラは支払うことができないのに舞台を上演するのかと言うと、これも同じようなもので興行的に成功させるのが目的というよりも演じる機会がない俳優たちが奮起して、自主的に舞台を企画して演じたい欲求を満たしているのです。
その中からたまにとんでもない劇団が現れて出世する人はいるので、それを狙っているのかもしれませんね。このような方達がいなければ私もシアタートラムの舞台には立てなかったでしょう。商業演劇と言われるような舞台でなければ上演できない環境であったなら。
他にも映画やドラマなど主にカメラの前で演じるのも俳優の仕事としてありますがこちらは舞台と比べて制作するハードルが高いからか、そもそも作っている人が少ないのでなかなか機会が巡ってこないのです。
ただ今まで何度も主張している通り今は個人レベルでも作品を届けられる時代ですので有志を集め資金を募り、一つ名刺代わりになる映像作品を作ってみるのも手だと思います。舞台だとかなり限られた期間、人数しか観られないので、どうしても届けるという意味では効率悪いです。
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