座右の書 吉村昭『冷たい夏、熱い夏』
吉村昭『冷たい夏、熱い夏』新潮社、1984年
ハードカバーの初版本を、古書店で購入。文庫とともに、わたしの家宝にしたい。
冷い夏、熱い夏 (新潮文庫)
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私が大学1年生の時に出会った。
文学部日本語日本文学科の親友から貸してもらった。
その時の感想は忘れたが、「死のにおい」を強く感じた。とても衝撃を受けた。
末期のガンである弟を見守る私。その壮絶な最期が、わたしの祖母の死を思い出した。
結核手術で肋骨切除した吉村昭さんは、自分の死を見つめ続けた。
生と死とがつねに隣り合わせであることは、冷たさと熱さとの関係性にも似ている。
史実に対してのこだわり。
生と死を見つめ続けた、冷静と情熱のあいだに、作家としての生き様がそこにある。
吉村さんの歴史小説も引き続き、読み直したい。