作家になっていた(今後やりたいこと)
思い出そうとすれば匂いくらいまでなら思い出せそうな感じの人からそんな連絡が来た ひとつ呼吸を置いたのち 作家になったんですか そう思った
そうなんだ とだけ返事をするとまもなく画像が送られてきた
作家になっていた
「そうなんだ」の首を「そうなんですよ」の縦振りでなく「そうなんですか?」の横倒しで理解してくれたことばっかり夜みたいにうれしくて
ほとんど考えず「ほんとだ」とだけ返事した
そんな気はしてたよ その人は自分だけが知っているみたいに言ったけれど
ほんとのところね してたんだよ 実は作家になっちゃう気が してたんだ
そうして 作家なのだった
エッセイや随筆は「作家になった感」を味わいにくいという話をほうぼうで耳にする 乱暴に要約すれば一般に「作家」とは「小説家」とほぼ同じ意味で使われていること+エッセイには「○○賞」的なものが少なく勝ち抜いた感が薄いことが理由だという そこそこ納得のいく説明である
実際 本が出版されたからといって生活が劇的に変わるわけでもなく 日々のんびりと過ごしている 本屋さんに行く頻度と話の種がちょっと増えて
人生のかさがやや増した程度なのだった 傘は多いほうがいい 雨は降る
さりとて せっかく作家になったのだから作家らしいこともしてみたい
書き出してみると別に作家でなくてもいいようなことが混じってる気がする
作家らしいことってなんなんだろうか とりあえず本はまた出してみたい
笑い声サ~ッカッカッカッカにしてみようかな あとなんかの問題文とかに使われたい
ひとまずみなさん 新年もどうぞよろしくお願いします お誘い待ってます
ていうか音楽やりたいんだよな 作詞作曲とかさ やったことないけど
バンドとかやりたいよ 当方ボーカル他募集 べらぼうに歌がうまいです
あと おいしい麻婆豆腐作れるようになりたい 鍋とか買っちゃおうかな
いや よく考えると麻婆豆腐は食べるだけでもいいかもしれない 案外ね
そのものが欲しいものと そのものに至る過程が欲しいものって 違うよ
音楽はかなりやりたいので そこんとこよろしく
宛名のない手紙を書きたい