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【米袋トリビア②】あなたの知らない米袋の話


皆さんこんにちは、
アサヒパック広報の小林です!

こちらの記事では米袋に関する「トリビア」をご紹介しています。

※前のお話はこちら

⑥その「太い線」のなぞ


皆さんはお米の袋のデザインをまじまじと眺めたことってありますか、
ありますよね??

ね??(圧)

そうすると、気になるのってやっぱりこれですよね!

袋の下の方によく見かける、この「黒いヤツ」…


わざわざ付けていると思われる「黒く太い線」…。これ、いったい何なんでしょうか?

これは「光電管(こうでんかん)マーク」と呼ばれる部分です。

後述しますが、お米は「パッカー機」と呼ばれる専用機械で袋詰めをされている場合が多いのです。そこに付いているのが「光電管センサー」。赤外線や可視光線の反射などを利用して『反応があったら○○という動作をしなさい』と、機械に指示を出すための袋側の目印が、この光電管マークなんです。(袋の形に「製袋」する場面などでも使用している)

ですので、


このように、しっかり反射をしてくれる「濃い色」を使います。

もちろん機械との相性もあるのですが「色が薄くてセンサーが反応しない」ことや、「ほかのデザイン部分に反応してしまい誤作動」なんてこともあるので、実は結構気を遣うんです(汗)。

ちなみに、米農家さんが手詰めされている袋なんかは、この光電管が無かったります。パッカー機に入れるわけではないので不要なんですね~。

⑦お米専用の包装機械が存在している


ひとつ前で触れましたが、実は「お米を袋詰めするための専用機械」が存在しています!

動画提供:幸南食糧株式会社 様

公式サイトはこちら


この機械は「ロールパッカー機」と呼ばれています。

注目すべきはそのスピード。もちろん機械にもよりますが、重量物であるお米を「計量」「袋詰め」した商品が1分間に概ね15袋程度出来上がるんです!こうやって私たちの食卓は支えられています!!

⑧試練を乗り越えた米袋ものだけが立てる店頭ぶたい


さて、たくさんの種類があるお米のパッケージ。その商品開発の際に一番の障壁となるのが「強度」です。

袋詰めして積み上げることができるか、
長時間の輸送に耐えられるか、
多少落としてしまったとしても破れないか…


などなど、様々なリスクを鑑みて、幾多の試練を潜り抜けた素材だけが店頭に並ぶことを許されるのです…!

ちなみに、どんな強度テストを行っているのか、少しだけご紹介します!

規定量目のお米を包装した状態で、
①平落とし(米袋のオモテウラが天地)で1.5mから3回
②横落とし(サイドシールが天地)で1.5mから3回
③縦落とし(頭シール底シールが天地)で0.5mから2回

【注意】
あくまでメーカーが安全に考慮して行っているテストです。
破袋の危険がありますのでマネしないでください!


簡単に意訳すると、スーパーの店頭で陳列中に、またお客様がご購入後に
袋を抱えた状態から数回落としてしまったとしても破袋しないこと
という訳なんです。

このほか、強度以外の部分でも様々な基準が設けられています。

⑨その姿、巨大キッチンラップ


そんなお米の袋ですが、どんな風に在庫をされているかご存じでしょうか?

・・・



正解はこちら!!!【【ドンッ!!】】

※絶妙に気持ち悪い持ち方をしていますが、そっとしておいてください
※素手で抱えていますが、印刷テスト用のロールサンプルです


そうなんです、巨大なキッチンラップのようになっているんです!!

これは米袋を作るとき(と、印刷するとき)の都合と、先述の包装機械(ロールパッカー機)で自動で袋詰めを行う都合でこんな形をしています。

抱えるように持ち上げていますが、実はこのロールとっても重いんです…。写真のもので大体20kg前後、材質によっては30kgくらいあったりもします。

工場内で印刷を待つ米袋たち
キッチンラップというよりトイレットペーパーに見えなくもない


ちなみに、印刷も袋詰めも「単袋」に対応したものもありますので、すべての米袋がロール状で在庫されているわけではありません。

⑩実は底抜け


このように各袋がずーーーーーっと、ラップのようにつながっている状態(だいたい300~400m位)だと、その中はどうなっているのかというと…


こんな感じで、実は底が抜けた状態になっているんです。『それじゃあお米が落ちて行っちゃうのでは?』と思われたそこのあなた!ご安心を!

米袋は基本的に「熱を加えると溶けてくっつく」という性質があるんです。

ですので、それを利用して、

片方(底部分or頭部分)に熱を加えて封(シール)する

規定量のお米を詰める

反対の空いている側にも熱を加えて封をする

つなぎ目をカットする


という工程を経て、ひとつのお米製品が出来上がっています。

ちなみに「単袋」にカットされている製品については、一か所を除いてシールされている状態になっています。後はお米を詰めて、封をすれば完成になります。

こんな感じで上部(頭部分)だけ空いていることが多い

⑪アイロンで封は出来かねます!(切実)


新米が穫れる秋のシーズンになると、米どころの農家さん方から弊社宛に
こんな電話が良く掛かってきます。

『コ〇リでお宅さんの袋を買ったんだけど、これ、封はアイロンで出来るんだよね(´・ω・`)?』

※アイロンで米袋の封を試している参考画像
お米が良くとれる地域ではホームセンターで米袋の取り扱いがある


先述のとおり、確かに熱を加えるとシールすることができるのですが、、、メーカーとしては

『破袋の危険がありますのでやめてくださいーー(泣)』

と、お願いをしています。。。

実は加減が結構シビアなんです。
熱を加えすぎると焼き切れてしまいますし、反対に弱すぎるとうまくシール出来ず剝がれてしまい、そこからお米が漏れてしまったりするんです。

Q.じゃあ、どうすればいいのさぁ( ˘•ω•˘ ).。oஇ

A.専用のものをご使用ください(`・ω・´)!!


弊社では、比較的リーズナブルな価格帯で、シール幅も10kg用の米袋に対応したサイズの商品までご用意しています!

また事業者様向けの、プロ仕様の機器もございます。

富士インパルスさんの足踏みシーラー機


どの製品も、しっかりと温度調節ができ、シール幅も十分ですので均一に封をすることが可能です。また、余ってしまったお菓子の袋などを、再度閉じることもできます。


第三話に続く・・・