最後のデザートバイキング
「最後の」って、「最初」があった訳じゃないよ。
でも最後にするの。過食とおさらばするために。
ストレスで過食が止まらない。食の前は服だった。フリマアプリ、ネットショップ、あらゆるところから毎日服が届く。布団の中からポチポチ注文し、ほしい服は全てかってしまえという勢いだった。郵便屋さんは「ポストに入りませんでした」といくつも荷物を抱えてピンポン押す。「いつもすみません!」と母が謝る。すいませんは私だよ。
買い物依存は2ヶ月続き、傷病手当金の入金が先か、クレジットの引き落としが先か、というすれすれのところを走り抜け、ようやく止まった。いや、止まったというよりは、別のものに依存し始めたのだ。それが暴食。
実家には災害時の非常食のひとつとして、クッキーやビスケットが備蓄されている。母の案だ。賞味期限が来たものから、家族で少しずつ分けて食べる。たまにやってくる楽しいおやつタイムだ。それが崩れた。私がクッキーを食べ始めると止まらないのだ。もはや手元は見ていない。ただ、そこにあるものを食する。美味しいことは分かるけれど、そこまで味わってるわけでもない。とにかく食べる。メンタルの不安を打ち消すように、食べ続ける。一通り満腹になったら、特別満足そうな顔もせずその場を立ち去る。そう、好きで好きで味わっているわけではない。
摂食障害の経験のある友人に言われた。ちょっと危ないかもしれぬと。過食の罪悪感や自己嫌悪で次は嘔吐する。そうならないか心配だって。(自分としても不安である)
そこで考えた。
過食したくなくなるまで食べてしまえばいいのではないか?過食パーティーとでも題して、好きなスイーツを買って「もう要らない…」となるまで満腹になってしまったら?失敗したらただの食べ過ぎ、成功すれば「あのとき食べたじゃん、もういいよ」と諦めがつくのでは。
そうとなればスーパーへ出発である。
朝ごはんは食べた、しかし白米を2膳分平らげてしまった。そこにあるとダメなのだ。さて向かうはスイーツコーナー。あったあった、焼きプリン、モンブラン、ミルクレープ、シュークリーム…手持ちのお金は1000円(なぜそんなに少ない笑)。計算して1000円で収まる組み合わせに。上記の4種類を連れ帰ってきた。
お昼ごはんはスイーツ。好きなだけ食べろ❗と自分に言い聞かせて焼きプリンから。買ったことある人はお分かりと思うが、よくスーパーで売っているケーキというのは2切れで330円ほど。そう、「2切れ」で。焼きプリンは4つ、シュークリームは小ぶりなものが4つ。甘い、美味しい、さすがに満腹、気持ち悪くなって、全部平らげた。
かくして最後のデザートバイキングは終わったのだった。
お腹が苦しくてしょうがない。でも思いっきり食べた。これでしばらく甘いもの食べなくても大丈夫そう。たぶん。
作戦が成功することを願って、ピリオドを打つ。
あさひ野
画像が全部横向きだ。
note初心者あるあるなのか?
横向きで堪能してください(諦めた)。