【エッセイ】新病棟完成の竣工式に行く件〜兄から託された最後のミッション〜
新卒だった兄は
勤務先の霞が関から
長野県にある国立医療機関に派遣された
そこは
重度の精神障害や
重症心身障がい児(者)の
入院施設のある病院で
余命宣告を受けてから
話してくれたのは
その病院のこと
当時若かったこともあり
兄にとって
忘れられない光景だったようです
重症心身障がいというのは
重度の知的障害、および、
重度の肢体不自由が重複している状態に
あることをいいます
肢体が欠損している重症心身障がい者が
ひとたび床に転がり落ちても
スタッフがすぐに行ける状態とは限らず
起き上がらせることができない
まして親や家族が
会いにくる人だけではない。
という現実に複雑な想いが錯綜したようです
でも結局、兄は
数年で職を辞してしまい
それ以降10年ほどは
海外を拠点としていたこともあり
まさかその時のことが脳裏に
焼き付いているとはつゆ知らず
でも余命宣告を受けてからというもの
兄はその光景と
複雑な気持ちを話してくれました
それで自分が亡くなったあと
遺産をその病院に寄付したいというので
そうしたのですが
兄の亡き後
当然ですが私の名で
手続きすることになり
今回そのような流れで
リニューアルした病院の竣工式に
呼ばれてしまったのです
(寄付金をリニューアル費に充てたとのこと)
そしてこの寄付は
事前準備が結構大変で
というのも当時
父とのトラブルを避けるため
裁判所で兄の遺言の証明を
しなければならず
弁護士、税理士、司法書士
色んな先生方の間を渡り歩いて
ようやく寄付へと
辿り着くことができたのです
そのようにして
やっと来たその日は
東京〜軽井沢
軽井沢からは
レトロな電車に乗り込んで
高原の間を揺られていると
へーお兄ちゃんこんなところに住んでたんだぁ…
って思ったり
妹としての最後のミッション
ようやくここまで来たんだね
と思ったり
幼稚園のお迎え間に合うだろうかと
時計を気にしていました
あれから6年も経っているので
来月の竣工式に呼ばれたとき
辞退しようと思っていたのですが
今年中学三年生になった長男が
「一緒に行けるなら俺も行きたい!」
と言い出し
先方に話してみると
ぜひご一緒に!
と快く快諾
ということで
あれよあれよという間に
長男と一緒に参列することになったのです
(私ひとりだったら絶対辞退)
でも
お金ってどんな使い道があるのか
物を買うだけではない
お金の使い道があることを
今の彼の心に留めることができたらな
と思っています
ということで来月は新病棟完成のお祝いに
長野県まで…
私は一体どんな顔をして
どのような服を着て行けば良いのでしょうか…
誰か教えて下さいw
(ヘルプミー)
けどまぁ
気楽に行こうかな^^
兄にでも
会いに行くつもりで♪
最後までお読みいただきありがとうございました^^
アラフォーからの豊かな人生をガイドする
ライフクリエイター朝比奈卵