【エッセイ】お盆につき~魔女の宅急便のお母さんに似ていた亡き母を想う~
知人が嫌でも親に似るようになる
と言っていたけれど
もしそれが本当なら
私は嬉しい
だって今まで見た女性の中で
一番素晴らしいと思う女性が
母だから
私の目に映る母は
ひと言で言えば
”喜んで生きている人”
母は生きること自体
とても楽しそうだった
そして恥ずかし気もなく
言ってしまえば
知的で感性豊かという印象
母に声を荒げられた記憶はなく
常に微笑みの人だった
その穏やかさは
子どもの時分
当たり前だと思っていたけれど
でも振り返ると
決して当たり前ではない
ということが今分かる
母は相当、芯が強かったのだと思う
そんな母だったので
自分の生き方や
信念のことでは
友達と喧嘩したり
やがて仲直りもして
その類
とても真剣な人
でもやっぱり
いつも友達とキャッキャして
女子学生みたいに楽しそうだった
よく遊ぶ人だったけれど
ごく普通の家庭人でもあって
町内会では
近所のおばあたちに
いろいろな任務を課されていた
でも本人は
「町内会でね!若手って言われちゃってるの♡
私68歳なのに!」
と、嬉しそうに笑っていた
意外とビジネスの能力にも長けていて
家事の合間に
個人ビジネスで
自らの収入を得ていた
仕事にも真剣な人
母が急逝した時
一報を聞いた
母の親友が病院へ飛んで来て
母の亡骸を抱きしめ
ずっと名前を呼んでた
お互いのほっぺたをくっつけて
「陽子がいなかったら
これから先
私どうやって生きて行ったらいいのよ…」
あれから12年が経ち
その友達は
今でも母の写真を飾り
一緒にお酒を呑んで
涙を流してくれている
もうひとりの親友は
母の死を
受け入れられず
葬儀に参列できなかった
葬儀後
その親友から
泣いて電話が来たので
一日中
その親友を励ますという
謎のミッションを課せられた私
「大丈夫ですよ。
今も空から笑って見てくれてますよきっと。
だからもうそんなに泣かないで…」
結局その親友とは
私が母の代わりに
定期的に食事に行くことになるのだけど
結局その友達は今もよく泣いている
「あれから、ずっと会いたいよ」
そんな姿を見させてもらって
母って幸せ者だなと思う
こんなに時間が経った今でも
こんなにも恋しく
想ってくれる人がいるなんて…
友情って凄いことを
教えてもらってる気がする
そして母と言えば
恐ろしいほどの
鋭い勘をもっていた
人と会えばもちろんのこと
会わずとも
その人の書いた文字を見ただけでも
その人の気質や資質のような
色々なことが分かってしまう
昔、夫から交際を申し込まれ
断っていたときに
夫が実家暮らしの私に
頻繁に手紙を出してきて
(今では”あれ?その気持ちってどこ行った?”
レベルなので
ノロケではありません)
それが母宛てにも一通
届いていたというのです
総じて
”私は怪しい者ではございません”
みたいな内容だったようなのですが
内容よりもその文字を見て母は
彼の気質をバッチリ当てていた
「う~ん
彼は本当に会社の経営者なの?
本当に?
(当時50人ぐらいの
会社を知人と共同経営していた夫)
私にはどうしてもこの文字の人が
会社の経営者とは思えないのよ
ごめんね。
その点だけがどうしても
違っちゃう
う~ん
どうしてこの人が経営者なんだろう…
だって彼は
サポート気質の人でしょうから」
あれから15年経ち
夫は
「やっぱり向いてない」
と具体的な経営から一線を離れ
フリーランス仲間と
企業のサポート業務のようなことを
やっています
更に昔
ご近所さんと挨拶を交わしたときに
母が言ったのが
「実はあの方
前からちょっと
気になるの
とても言葉に表しづらいのだけど
なんというか
ちょっと感じるものがあってね。
心配なの。
でも絶対本人には言わないでね」
私は咄嗟に
「お母さんには
なにかが見えてるの?」
と聞いてみた
すると少し沈黙してから
「なんて言ったらいいのかな
まぁ一種の勘みたいなものかな?
年齢も年齢だし
人生経験みたいなものもあるんだけどね
でも
この勘
昔は本当に百発百中で
相当自信があったのよ
でも最近はダメね
すっかり衰えてる」
その頃から私は母の事を
魔女の宅急便のお母さんに似ているな
と思っていました
そして本当に昔から
うちの家のリビングには
入れ替わり立ち代わり
人が来ていて
みんな母に色々な相談をしていた
それと
誰にも言えないような
愚痴もこぼしていた
私はその横で朝ごはんを食べたり
昼ごはんを食べたり
夜ご飯を食べたりしながら
聞いちゃってたんですけどね(笑)
私はそんなお母さんが
大好きでした
絶対また会えると信じて
今日を元気に
生きています
最後までお読みいただきありがとうございました^^!
アラフォーからの豊かな人生をガイドする
ライフクリエイター朝比奈 卵
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