Cholistan(パキスタン)2010
チョリスタン砂漠 Cholistan Desert
パキスタン、パンジャブ州にあるチョリスタン砂漠。インド国境に近く、よくタール砂漠に繋がると書かれるが地理的にわかりやすくいうとジャイサルメール(タール砂漠のほぼ中央にある)のちょっと上という感じだ。チョリスタンは名前のごとくいわゆるスタン系(スタンはペルシャ語で土地を表す)の地名。Chole はトルコ語で砂を表すという。つまり砂の土地、そのまま砂漠を表す言葉のようだ。スタン系は民族の名前が接頭語として付くことが多いが、チョリスタンに関してはこのように別のようである。
チョリスタンに入ると目立つのは土壁の家。世界の雨の少ない乾燥エリアではこのような土壁の家が色んな国に存在し、屋根には藁のような葉っぱや枝を載せたタイプがよくある。つまり屋根の葉っぱが傘のようになっていて多少の雨では壁は溶けずに済むわけだ。こちらのチョリスタンでは屋根に葉っぱさえも載っていないので本当に雨が少ないのだろう。一応cholistanの画像検索では屋根に枯れ枝みたいなものを載せている家も出てくるのでたまたまこちらの家がそういうタイプだけなのかもしれない。
チョリスタンの人々は元来遊牧生活だったらしいが、現在では半遊牧半定住といわれている。こちらの村では飲用水は井戸を利用し、写真で見ると背景に畑が見える。調べるとこのエリアでは灌漑用水があるので一応それなりに野菜も食べられているようだ。それを考えると他の砂漠の遊牧民はナンなどの主食と肉以外はバター、ミルク、ヨーグルトといった乳製品だらけなので、ここでの食生活はバリエーションがあって恵まれているように思われる。村では家だけでなく塀なども土で作られていて、様々なものが土で作られている印象だ。そんな土だらけの中で目立つのはロケット状の物体。これは小麦などの穀物を入れるいわゆるサイロらしい。必要な分だけ下の方から穴をあけて取り出すという。
水たばこを吸う男性。水たばこというとイランなどで見られるシーシャが有名だが、そのシーシャとはビミョーに形が違う。似たような水たばこをチョリスタン以外のパンジャブ州内でも見たので、これはパンジャブスタイルの水たばこなのかもしれない。
ナワブ家の墓地 Nawab Graveyard
こちらは当時普段入れなかったような記憶がある。この時は偶然にも管理人さんたちが入るところだったので一緒に入れてもらったような記憶がある。下の動画をみてもらえると分かるがコーランを読んでいる男性が管理人だったと思う。あとから入ってきた少年が多分墓地内の掃除とかをしていたように思う。Nawab Graveyard で検索しても日本語サイトの内部の写真はほとんど出てこない。一応最近の情報だと許可証がいるようだが、日本人で許可をもらって入ったというのはブログなどでもあまり見かけていないので、そういう意味では中に入れたのはかなり貴重な経験だったのかもだ。
モティモスク Moti Mosque
チョリスタン砂漠内のモスク。ここでは神学校(マドラサ)が併設されているようで、子供たちが一生懸命に本を読んでいた。コーランにしては見た目に薄いのでコーランの解説書か歴史書だろうか、いずれにしてもイスラム関係の本には違いなかった。上半身を前後にゆすりながら読み上げるのはちょっと独特の雰囲気がある。私が近寄ると東洋人が珍しいのかしばらくこちらを見つめていた。ちょっと勉強の邪魔をしてしまったのかもしれない。イスラム圏で色々なマドラサを見た。ちゃんと屋内に教室が設けられて机椅子が用意されているところもあるが、パキスタンでは他のところでもこのように屋外だった。基本的にこういうマドラサは男の子ばかりで女の子の生徒は今までに見たことがない。一応一般的には女生徒も認められてはいるというが実際にはかなり少ないと思われる。
チョリスタン砂漠に限った話ではないが、砂漠の生活は水の確保が生命線となる。井戸が枯れたら当然大変なことになる。どうしてこういう環境の中に生活の中心をおこうと思ったのか不思議な気がする。もう少し水が確保できて緑の多いところで生活した方がいいだろうと。今でこそ灌漑用水などが整っているようだが、昔はもっと水の確保が大変だったはずだ。人間というのは人口が増えれば当然ながら生活圏を広げていく。一部のこういう生活に適応できる遊牧民などが少しずつ活動エリアを砂漠に伸ばし、生活様式を長年の間に変えてながら適応できるようになったのであろう。環境に合わせて生物が進化していったように、人間の生活様式の進化論がここにあるのかもしれない。
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