【エッセイ】ぼんやりな日々
夢を見ていたのか、考えごとをしていたのか、わからなくなる。夢ならばあまりにストーリーがないし、考えごとならばあまりに結論がない。結局、内容もよく覚えていない。
このごろ、なんだかぼんやりしてしまう。頭の表面がじんじんとしびれている気がする。芯の部分は霧がかかったみたいに輪郭を失っているようだ。
平日はいつまでも寝てしまうし、休みに張りきって寝ようとするとうっすらとしか眠れず、やたらと早く目覚めてしまう始末だ。だるくても昼寝の習慣がないので昼寝もできない。
春が来たらしいのに、あけぼのを楽しむ余裕はない。暁をおぼえないほど眠いはずなのに、あけぼのが見ものとはなんとも皮肉な話だ。
今日は春分で、彼岸の中日で、ひとまず墓参りに行ってぼた餅を食べたのでよしとしよう。
ぼんやりするのは春のせいだ。でも、春が悪いわけじゃない。かといって、ぼんやりする自分が悪いわけでもない。
春はやってくる。人びとはきっと、冬をやりすごした安心感とゆるやかな暖かさ(と慌ただしさへの疲れ)にぼんやりしてしまう。
そのようになっているのだ。
当たり前なのだ。
仕方ないのだ。
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