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2024年9月の記事一覧

「手みやげ」は季節の先取りでランクアップ! 和文化研究家が教える選ぶポイント

■山笑う春/3~5月  花が咲き、鳥は歌い、草木が芽吹くこの時季は、雛祭り、お花見、入学、端午の節句など、華やかで夢が広がる行事が続く。桜ひとつとっても、桜の花や桜の葉の塩漬けを用いた菓子や、桜をモチーフにしたスイーツがたくさんあり、選ぶのも楽しい。  例えば、le pepin の「フルール ドゥ ボンボン ブーケ」(6 本入り648 円)は、自家製ナッツペーストを抹茶、ミルク、ストロベリーのチョコでコーティングした、ロリポップ型チョコレート。花束のような包装のこのお菓子

「オレが死んだらあいつが一生不幸になる」1984年2月12日にマッキンリーで消息を断った昭和の冒険家・植村直己が夫人に残していた言葉

「自分はひとりじゃない。 絶対に生きて帰らなければ」  昭和59(1984)年2月1日、最後の冒険行となったマッキンリー(米・アラスカ州)厳冬期単独初登頂を目指してベースキャンプを出発する直前の植村直己のことば(テレビ朝日インタビュー)である。2月12日午後に登頂成功。しかし、下山途中で消息を断つ。 そのほぼ10カ月後の12月20日、アラスカ州裁判所は、植村直己の死亡を公式に認定した。  昭和35年、明治大学農学部に入学した植村は山岳部に入る。このときはまだ冒険の“ボ”の

【試し読み】「ヤンキー」から学んだこと/漫画家・コラムニストのカレー沢薫さん『女って何だ? コミュ障の私が考えてみた』<第3回>

▼第2回「職場の人間との付き合い方」はこちら ヤンキー 〈「イオンで満足する力」は強い〉ブラジルぐらい遠いところに いると思ったら、浅草にいた。  この連載をはじめてから、「◯◯女」シリーズとして、「キラキラ系女子」や「ウェイ系女」のような「遠いぜ……」としか思えない女や、六本木ヒルズの屋上で「Tokyoの光……Love」とつぶやいている「逆・鎖国女」など、実在を疑うような、スカイフィッシュ女も多々出てきたが、逆に「スピリチュアル女」のように、対極にいるように見えて、実は

「恐るべき子ども」と批判された美空ひばりが“昭和の歌姫”と認められた日

 横浜の杉田劇場で初舞台を踏んだ翌年、昭和21年の暮れ。9歳の美空ひばりは、NHKのど自慢素人音楽会に出場し、「りんごの唄」を歌った。子どもとは思えない、素人の大人以上の細やかな表現力に、観客は拍手喝采した。ところが、鐘は一つも鳴らなかった。「10歳にもみたない少女が、大人の歌を達者に歌うだけでなく、30女の色気まで持つとは恐るべき不健全」という理由で、落とされたのである。  1年後、児童福祉法が公布されたあたりから、年少者の労働に当局の監視の目が光り、美空ひばりは暗に批判

たんぱく質が「眠りの質を高める」!筋肉量を維持するだけじゃない健康効果

■筋肉量を維持してフレイルを予防  たんぱく質を意識してとっていると、筋肉量の低下を防ぐことができる。筋肉量が増えると血行が促進され、冷えや肩凝り、腰痛なども改善されるほか、基礎代謝量も上がるため、ダイエットにも効果的。また、筋肉量を蓄えておくと高齢になったときに筋肉の減少が抑えられ、フレイルやサルコペニアの防止になる。元気で生き生きと過ごせる時間、つまり健康寿命が延びるわけだ。  重要なのが、たんぱく質をとるタイミング。食事と食事の時間があけばあくほど、たんぱく質が足り

【試し読み】「職場の人間との付き合い方」漫画家・コラムニストのカレー沢薫さん『女って何だ? コミュ障の私が考えてみた』<第2回>

▼第1回「学校で友達を作る厄介さ」はこちら 職場の人間との付き合い方 〈「会社」という無差別級のバトルフィールド〉所詮、制限時間(退社時間)までの、 我慢大会会場なのである  女というのは、大体が死ぬまで戦う、サイヤ人級の戦闘民族である。  だったらサイヤ人のように、若い期間が長いという、戦闘に特化した体にしてほしかった。だが逆に、老いても平気で戦い続けるという点で言えば、サイヤ人以上の蛮族とも言える。  だが、戦う場所は女によって違う。  鳥山明は、背景を描くのが

昭和の伝説的女優・原節子の謎めいた軌跡と素顔

 8月15日の敗戦は、さまざまな“変化”を女性たちにもたらした。女優の原節子もその例外ではなかった。  当時、原は25歳。女手で大家族を支えていたため、住まいのあった東京・笹塚から京王線に乗り、多摩川あたりまで野菜の買い出しに出かけた。沿線には大映(現・KADOKAWA)の撮影所があり、たまたま同じ電車に乗り合わせた女優たちは泥まみれの野菜を抱えた同僚の姿を見て「気の毒に」と気兼ねしたのだろう。原がいくら話しかけようとしても、女優たちは知らん顔をしていたという。  東京郊

朝食に「ちょい足し」するならゆで卵 理想のたんぱく質を摂取できる食材リストとメニューを紹介

 現代日本人が「たんぱく質不足」の状態にあることをご存じだろうか? そこで、筋肉を維持するだけではなく、将来のサルコペニアやフレイルを防ぐために、早稲田大学の宮地元彦教授監修で、ほりえさちこさんが料理を担当した書籍『美容・健康・免疫力アップ からだづくりに欠かせない たんぱく質のきほんとレシピBOOK』(朝日新聞出版)から、たんぱく質の摂取量を増やす方法を紹介したい。  厚生労働省の食事摂取基準では、体重1キロあたり1日に1.2グラムのたんぱく質の摂取が望ましいとされている

「どう考えても勝てないビジネスコンペ」で大逆転勝利を収めた恐るべき戦略とは?

第1回はこちら 第2回はこちら 〓URL〓 ■「今回は選ばれるのは無理だろう」からの大逆転 西沢:ベンチャー企業時代のビジネスプレゼン300戦無敗のなかで、「今回ばかりは、受注は難しいのではないか?」という窮地から逆転した事例があれば教えていただけますか。 井下田:そうですね。ベンチャー企業時代ではなくて3社目にいたときのことですが、かつて、自分がコンペで叩きまくっていたソフトウェアを自分が売ることになったことがありました。しかも、コンペの相手が、少し前まで自分が売

日本人のたんぱく質摂取量は“戦後と同レベル”!不十分だと起こる身体の不調とは

「日本人は栄養不十分」と聞いたら、多くの人は驚くだろう。これまではむしろ食べすぎのカロリー過多や肥満、それらによる生活習慣病を警告されてきた。しかし、実際には現代日本人の多くが、生きていくためのエネルギーや体のもととなる、大事な栄養素「たんぱく質」が不十分な状態にあるという。  戦中や戦後のものがなかった時代、日本人のたんぱく質摂取量は目標量に届いていなかった。それが、戦後から高度成長期にかけて伸びていき、バブルと呼ばれる時代には目標量を超えてとりすぎの状態に至る。だがそれ