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ほんの記事

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2023年10月の記事一覧

「戦略的ちょいギレ」がアホの対処法には最強の理由

 正面からやり合う戦いは、勝っても負けても後味が悪い。そこでオススメするのが、戦略的にちょっとだけキレることだ。大事なポイントは心は「平静」であること。感情的になってキレたらそれは単なるアホになってしまう。敵をつくり未熟な人間だと評価を下げるだけだ。  なぜ戦略的にキレることが大事なのか? それは都合よくコントロールされないためだ。注意すべきポイントは、次のとおりだ。 感情的には全然怒っていない ごくたまに ここぞというタイミングで(あなたの立場がやや強い時がいいキレ

中国は尖閣諸島をどうしたい?地政学の視点で見れば「一目瞭然」の理由【8コマ地政学】

 国境の多くが海に面している海洋国家を「シーパワー」国家と呼ぶ。いわゆる海軍力だけではなく、海上輸送の能力や海外基地の確保なども含めた「海上を支配するための総合力」の高い国のことで、アメリカやイギリス、日本が分類される。この、シーパワーに並ぶ概念が「ランドパワー」国家。ユーラシア大陸の内部に位置する大陸国家のことで、こちらも陸軍力のみならず、陸上輸送の能力や資源の量などを含む幅広い概念とされている。  中国は長大な海岸線を持つが、複数の国とも国境を接しており、歴史的には「ラ

「モデルみたい」はもはや褒め言葉ではない! 時代錯誤な“残念な人”にならないために気をつけるべき視点

 アホがアホである理由のひとつに、考え方が硬直していることがある。一つの視点でしかモノを見られないため、他人の意見を受け入れられず排除しようとする。  例えば、『トップガン マーヴェリック』のあるシーンでトム・クルーズがバーからたたき出されるシーンである。昔付き合っていた女性に対して「相変わらずきれいだね」といった瞬間の話だ。この発言が女性蔑視とされ、罰を受けて訓練生たちにたたき出される。  ここを理解できる人が日本人にどれだけいるだろうか? 容姿の美醜について自身のバリ

中国が台湾を「諦められない」理由は? 地政学的にみるとわかること【8コマ地政学】

 ことの始まりは、20世紀前半の中国における国民党・共産党の内戦だ。共産党が勝利して中華人民共和国を建国し、国民党は台湾に逃れる。共産党政府は中国本土を掌握し、台湾の併呑も時間の問題と思われたのだが、1950年代の2度にわたる台湾海峡危機では、アメリカが艦隊を派遣したことで中国は台湾侵攻を断念する。台湾は、日本や韓国と並び、ソ連・中国の社会主義勢力を封じ込める「戦略的拠点」とみなされたのだ。  1970年代、台湾は大きな危機を迎える。1971年、中国(中華人民共和国)が国連

人生での「アホ」との出会いはチャンス? エリートが実践する処世術

 職場でピリピリして八つ当たりしてくるアホは、徹底的にやり過ごせばいい。  しかし、家庭や親類関係などでいきり立つアホがいたらどうすればいいのだろうか。多少は思うことがあっても、その場では共感してストレスを受け流すというしたたかな戦略をとればいい。  私も昔は八つ当たりのようなことをしたことがあった。しかし、不機嫌を人にぶつけても、筋肉は凝るし血圧にも影響が出るし、病気になりそうでいいことは全くなかった。怒って毒を吐いても、人間としての品性の低下を見せるだけだったのだ。

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【フォトギャラリー】謎多き廃墟「ピラミデン」 写真家・佐藤健寿が切り撮る北極圏に眠る社会主義国家

【写真】佐藤健寿さんが撮った謎多き廃墟「ピラミデン」 北極圏に眠る社会主義国家に迫る

■冷凍保存された20世紀の“ピラミッド”の正体とは ――今回撮影したピラミデンとはどのような場所なのでしょう。佐藤さんが興味をもった理由を教えてください。  ピラミデンはノルウェー領のスヴァールバル諸島の中心部にあって、北緯でいうと78度、北極点までは1000kmほどです。もとはスウェーデンの探検家が石炭を発見して、山の形になぞらえてピラミデンと名付けました。その後、スウェーデンからロシアが買収し、第二次大戦以降から炭鉱都市として栄えていました。それが1991年のソビエト

【レシピ公開!】しょうゆのように使えて、味はよりまろやかな万能調味料「醤」

「発酵調味料を自分で作る丁寧な暮らし」  こう聞くといかにもハードルが高そうだが、実は「混ぜるだけでできる」「時短になる」「おいしいうえにキレイになれる」としたらどうだろう。  第一子の妊娠をきっかけに発酵食品と出合い、その魅力に目覚めたと話すのは、清水紫織さん。2015年に発酵料理教室「神楽坂発酵美人堂」を開いて店主となり、今なお、発酵食品のおいしさや便利さ、面白さに感心する日々だ。  2021年9月には『はじめてでも、とびきりおいしくなる! 発酵料理のきほん』を、2

「どうして学校に行かなきゃいけないの?」と子どもに聞かれた時の答え方

■どうして学校に行かなきゃいけないの?  例えば、冒頭に挙げた「どうして学校に行かなきゃいけないの?」という疑問。「義務教育だから」という答えは適切だろうか。実は、「義務」を負っているのは子どもではなく大人。保護者は「子どもたちに教育を受けさせる義務」を負い、子どもたちは「教育を受ける権利」を持っている。  では、保護者に「義務」を負わせるくらい学校に行くのが大切なのはなぜか。知識を得るだけならインターネットでも足りるかもしれない。だが、友だちと会ったり、給食を食べたり、

「スマホが脳の発達を妨げる」子ども233人への3年間追跡調査で見えた衝撃の事実 脳を守るためにできること【スマホはどこまで脳を壊すか】

――榊先生の著書『スマホはどこまで脳を壊すか』が、教育関係者に衝撃を与えています。研究から得られた結果について教えていただけますか。  東北大学加齢医学研究所では2010年から毎年、仙台市教育委員会と共同で仙台市の公立小中学校の児童・生徒約7万人を対象に、学習意欲を科学的に研究する大規模調査を行ってきました。その研究から、スマホをはじめとするタブレットやゲーム機、音楽プレーヤーといったデジタルデバイスを、1時間を超えて長く使っている子どもほど学力が低いという結果が出てきまし