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24時間営業やってちゃいけない:学生とどこまで付き合うか
土日で5通ほど学生からメールがきているけど緊急性がないので月曜の朝までは返信しないよ~。
……といっても、一応中身は確認している。まだ甘いな~と思う。
私は個人的なルールとして、
①学生にこちらの個人情報を教えない
②学校名義でもSNSで連絡を取らない
③学生の在学中は学校外での付き合いはしない
と決めている。
学校のルールや国内外の環境で違うと思うけれど、自分の学生付き合いルールを先生方はみんな持っているのではないだろうか。
今日は私が上のルールを持つにあたった経緯を書いていく。
①学生にこちらの個人情報を教えない
学校によっては仕事用のメールアドレスや携帯電話を持たせてもらえない場合がある。
私は両方、経験している。
メールアドレスをもらえないときは、Gmailで学校用のアドレスを作成した。それはあまり問題がなかった。
ある学校では、電話も個人の携帯電話を使わなければならなかった。さすがにそこまで準備できるほど高待遇ではなかったので、電話番号も学生に教えざるを得なかった。当然、電話代などが別に出るわけではない。
誰にでも分かることだろうが、個人の携帯電話を使わなければならないというのが一番厄介だった。
ふつう、受け持つ学生は半年ごとに増えていく。履歴は訳の分からない電話番号で埋まっていくし、夜中にも平気でかかってくる。
学生の親族からダイレクトにクレーム電話が掛かってきたこともある。多少日本語ができると、「うちの子はいい大学に行けるのか」「〇〇について弟が悩んでいるがどのような教育をしているのか」「なぜ学生の意見を通さないのか」といった愚痴を直接担任に言ってくるのだ。最悪だった。
そう、学生に教えた電話番号はどこへでも漏れてゆく。考えたら当たり前だ。クレームを喰らう程度で済んだのが幸いなくらいだろう。出会い系などに登録される可能性もある。
その学校をやめてから、私は一切の個人情報を学生に教えないようにしている。電話番号はもちろん、個人のメアド、SNSの全てを。
百害あってマジで一利がないからだ。ほんとうに、あの時代が良かったとはひとつも思わない。
今時そんな学校があるか? と思われるかもしれないが、5年も前の話ではない。最近は変わっただろうか。
②学校名義でもSNSで連絡を取らない
これは24時間営業になりかねないという点で①の理由と似ている。
もうひとつ、SNSではメッセージをやり取りする意識が低くなることも理由である。
メールをLINEやFacebook、Wechatの感覚で送ってくる学生もいるのだが、まあ絵文字くらいは許容するとしても、一文を完成させる癖がつかないように感じられる。
例えば課題を出せとか何らかの連絡をしたとして、「先生いつ」「これ写真です」「違う」「はいできます」のような一文未満の返答がある。
これは①の学校の時にWechatをやっていた頃のやり取りに非常に似ている。「打ち言葉」という日本語表現の研究があるが、SNS上のコミュニケーションは独特だ。
LINEで一文を意識して打つなんて日本人もやらないだろう。互いの知り得ている情報はできるだけそぎ落とし、一言ひとことをこまごまと送信するものだ。
ところが、その感覚のままメールを送ってくるのは、私は許容できない。国が違ったって最低限のメールマナーはあるはずだ。日本語学校の先生だからこれでいいと思われたら困る。
SNSの返信マナーって何? ということも悩みどころだ。メールなら手本のようなものを見せられるが、LINEにマナーってある?
……とまあそういうストレスもあって、私は学校名義のFacebookアカウントを作ったとしてもそれでやり取りはしたくない。
今年は幸い、オンライン授業となってメールを見る癖が学生に定着してきている。やればできるんだから、これからもやる。
③学生の在学中は学校外での付き合いはしない
学生たちが飲み会などを計画して「先生も行きましょう!」と誘ってくれることがある。
とても嬉しいことだが、私は仕事や用事などを理由に出して、絶対に行かないようにしている。
わけはいろいろあるのだが、私は学校を離れてまで「先生」でいられる自信がない。食事をしたりお酒を飲んでいるうちに必ずボロが出る。
私が「先生」でいられる場面は決まっているので、それを崩しかねない状況に自ら出て行きたくないというわけだ。実にお互いのためだ。
さらにはどこで誰が見ているか分からない時代、何か難癖付けられて学校名入りでSNSにでも写真を上げられたら困るのである。
学生たちと飲みに行くという行為が世間的にプラスになるとはあまり考えられない。被害妄想も甚だしいと言われるかもしれないが自衛なのだ。
例外として、卒業生に誘われた場合は食事に行くことがある。たいてい「イマ」の話で持ちきりになるので、日本語学校の時の話は出てくる暇がなかったりする。
先生は24時間営業すべきじゃない。
これが最たる信念だ。
本当のところ、先生は24時間、先生のアタマをしていると思う。授業のネタを探したり、学生の問題を解決することを考えたり。
しかし、電話やSNSで学生とのやり取りに忙殺されている24時間と、そうでない24時間とでは、アタマの余裕が違ってくる。
授業準備もそうだ。教案に向き合っているだけでアイデアが降ってくるだろうか?
誰にでも個人に戻る時間が必要だ。
家族と過ごしたり、友達と遊んだり、ゲームしたり、読書したり、YOUTUBEを見たり、楽器を楽しんだり、おいしいものを食べたり……
そんな時間で、ふとした瞬間、授業や学生対応に使えるひらめきがある。
だから、先生は24時間営業してはいけない。
学生のワガママに付き合うためには、先生もワガママでいなきゃいけない。
私はシャワーを浴びているときがアイデアのひらめきタイムだ。
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