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4月「春嶺の彩‐野生のサクラ、ヤマザクラ‐に想う」

暖かい日が増えてくると、山の芽吹きが始まる
薄黄緑色~白っぽい黄色が山をおおう

そのなかに、ぽつりぽつりと
赤茶色の葉と白い花が、織りあうようにピンク色の樹冠を作っている
野生のサクラ-ヤマザクラだろう
他にも、わたしの住む地方では
オオシマザクラ、エドヒガン、マメザクラなども見かける

毎日のように山を眺めているが
野生のサクラたちはみな、思い思いのタイミングで花開く
一気に咲く木もあれば、のんびり咲く木もある
毎年同じでもない
今年はあの木は早かったわね、去年はこの木は遅かったねと
近所で話題になる

サクラにしてみれば、花咲くタイミングはとても大事だろう
きっとどんな植物、すべての生きものにとって、大切な事に違いない
ヒトもそう

だから毎年、いつ咲こうか、いつ咲こうか…
いや、上手く咲けるかな、無謀かな、失敗したらどうしよう!
あらあら、ヒトはせっかく咲かせる花があるのに躊躇してしまうのか

あいつは、あんなときに花を咲かせやがってと
必死に咲かせた一輪をもぎ取ってしまう輩もいる

本当は野山でのびのびと、花を咲かせたいヒトなのに
この社会では、自由に「咲く」ことが少し難しい
近年の、社会の急速な広がりで
花を咲かせる野山が増えたと思うが
風が強くてすぐ山火事

それでも、精いっぱい咲けばいい
時がくればいずれ散るけれど
生きるものすべての権利

そんな話を知ってかしらずか
他人の花をすなおに愛で、自分の花を信じて咲かせようとするヒトの声も
広くなった野山に響いている

たとえ無謀な賭けであっても最後に「サクラサク」ことを願って

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