カマドウマの話し。
以降、タイトルの通り。
※ここから虫トークが始まります。苦手な方はここで閉じられた方が良いと思われます。(早)
皆さん「カマドウマ」はご存知だろうか。
ちなみに釜銅舞という炊飯器では無い。そんなの誰でもわかるか。虫です、虫。
別名「便所コオロギ」と呼ばれるカマドウマ。
強靭なバネと抜群の瞬発力を持つ足、ピヨヨンと無駄に長くかつ極めて無駄につややかな触角、未だに直視した事が無いからよくわからないがとにかく胴体。とにかく奴は強い。はちゃめちゃに強い。今まで出会った数々の虫達を蹴散らす程に、我が家での“最恐虫王”として君臨している。
そもそも、私の住むエリアにはカマドウマという虫は存在しなかった。ちなみに他の地区の出没状況は知らない。
突然現れるようになったのはそうね……4〜5年前くらいかしら。多分。うーん。もっと前かなぁ?
その数年前に帯広の親戚の家に行った時に初めて「カマドウマ」という名前を聞き、その凶悪な姿を見たのがファーストコンタクト。
へ〜さすが帯広!暑い地域はこんなデカくて怖い虫出るんだね!蟻もボーリングの玉みたくゴツ強そうだし!
とか興奮気味に言いながら、自分の住居地では見た事が無い事に心底ホッとしていたのを覚えている。ふっ。喜ぶのも束の間、その後何故か我が家に現れるのであった。車に一緒に乗り込んだのかなぁ?やだ〜も〜。
釧路にしては大きい、いやデカい虫の登場に家族皆戦慄いた。そして謎の跳躍力。壁も歩ける。天井も歩ける。羽は無いから宙は飛ばないけれど、奴の身体能力の高さは飛んでるも同じ。
とにかく叫んだ。叫びまくった。基本的に我が家は虫嫌いが揃っており、特に私は本当に虫がダメなのだ。
蚊やコバエは手でパチン、と出来る。普通のハエはハエ叩きで叩ける。足長蜘蛛(小)は割と共存出来る。足長蜘蛛(大)はティッシュ等で何とか。時期になると車の窓の外にいる新鮮な緑の綺麗な蜘蛛は目の保養的存在。蝶々基本大丈夫。てんとう虫手に乗せれる。小さめのバッタ、鈴虫は何とか何とか、まぁ。
おや?割とまだ良い方?
とにかく大きい虫、ツヤツヤした虫、ニョロニョロ系、太った蛾など見た目が異様に強そうな虫に遭遇すると悲鳴が出てしまうのだ。
ただ、散歩が趣味なだけに虫嫌いは克服したいところ。去年なんか散歩中、「蚊柱エリア」「大きめハエエリア」からの「蜂エリア」に突入してしまい、一人でギェェーッ!!と叫びながら走りまくり、蜂エリアでは蜂に追いかけられながら全速力で家まで走った記憶がある。途中からほぼ全速力で頭から足まで滝汗だった。(河童化の記憶ばっか)
熱帯地方にしか生息出来ない虫だと思い込んでいたので、「まぁまぁ、釧路の寒さじゃそうも生きられんじゃろ」と楽観視していた。
が。恐るべしカマドーは年々“寒冷地仕様”にカスタマイズされていき、何故か一番暑い7、8月はあまり現れず、まだ涼しく湿度が高い6月が出現率ピークとなった。
ちなみにパソコンにカマドウマ日計表を作り、毎年天気とざっくりとした気温(寒い、暑い、じめじめ等)、出没場所、匹数、倒した人を入力して傾向と対策を練っていた時期があった。あっ!引かないで!今は忙しくてそんな事やってられないのでー!
去年なんて6月に30匹も出た。
台所、トイレ前の床などが多発場所で、やはり湿気を好むようだ。家も湿地帯が近いしカマの好適地なんだと思う。
主にカマのライバルとなるのが、どんな虫でも叫びながら徹底的に倒す私の母、そして猫氏。
申し訳ないが、夜中に特大カマが私の腕の上を歩いていた時、横で寝ていた子と共にけたたましい悲鳴をあげて「母さーん!婆ちゃーん!!助けてぇー!!」と虫強婆ちゃんを起こしてしまった思い出もある。本当ごめん婆ちゃん……。でも虫に関してはドーラ婆さん並に強いからついつい……。
そしてカマを語るに欠かせないのが猫の存在。
あいつ、夜な夜なカマで遊んでるみたいで。朝起きるとバラバラになった足だけが発見される事が多々あるのだ。もはや猟奇的事件ですよ。中身どうした、中身は。食ったんか(涙)
叫びながら物理的攻撃で(これがなかなか奴らは死なないのだ!強すぎ!)迫ってくる婆さんと、いたぶりながら最後はバラバラにする狂気猫、そして負けじと出続けたカマドウマ。
戦いを繰り広げた後、シーズンを終えどこかに消えると(冬眠?あいつら秋〜初夏まで何やってんの??)、謎の友情が芽生え始めた婆ちゃんの「今日カマ出ないな……おーい!カマ〜!」という憂いを含んだ声が聞こたりする。
それが変なのだ。
今年も6月を目前に、来るか来るかと心の準備をしていたと言うのに。
しっかり6月1日に今年初カマが出たには出たのだが、それからというものせいぜい10匹も出ていないのだ。
6月後半にはもうほぼゼロになり、今に至る。
おーいカマ、もう8月だぞ。どうしたん?
この家は強い婆と猫いるから引越ししたのか?それとも今年の6月は湿度もいつもより低めだったし、比較的7月も涼しかったから?(後半寒くてストーブ付けた日もある)
みんな嫌々ながら君が出るのはもうイベント的な感覚になっているんだよ。別の地区に移住したのかな?何だか寂しいよ。(訳:もう戻って来なくても良いよ)
もしかしたらこれからドッと出てくるのだろうか。それともこのまま幻となるのだろうか。
寒冷地仕様になったカマは更に進化して、マイナス気温でも凍らないウォッシャー液のように神格化してしまったらどうしよう。
だって寒くなってきた9月にやたら出た年もあったし。とにかく侮れないのだ。
何より今は虫強婆ちゃんが元気だから良いものの、いずれは私が戦わなくてはならない時が来るだろう。
ちょっとスピードの速い蜘蛛にびびってる場合ではない、内容量が充実してそうな胴体を持つ蛾に発狂している場合では………こ、こればっかりは無理ー!
ダメだ、こんなんじゃカマと同等に立ち向かえない。猫がこっそり遊んでから食べるのを見ているだけなんて飼い主として……!
ま、いいか。
ゴキさんより無害って言うし。
それだけが唯一の救いだと信じて、今日もソワソワする。
毎年6月から9月まで、奴の存在が常に私をソワつかせる。
そんな話しを長々と熱く語ってしまった。
果たして大丈夫だっただろうか、と今更ながら考えている。笑
画像なんて載せない。画像見ただけで発狂。無理無理。実物モットムリ。
皆さんの地域には出るのだろうか?
本州ではお馴染みなのだろうか?
本当は優しい虫なのだろうか?(?)
今宵も奴への疑問が尽きない。