懐紙に花びら忍ばせて
光の速さで飛ぶ侍
湧く湧く星を居合い切り
銀の血しぶきを浴びて
したたれど
振り返らない
ただ軌道を睨み
ぎゅん
暗い宇宙へ

遠き山に日は落ちて
よいこは帰れのチャイムが鳴る頃
台所の上の方で換気扇は
間引かれた芽のための
鎮魂歌を歌っている
一人暮らしの学生の耳に
出勤中の未亡人の耳に
スーツを脱げない失業者の耳に
ごうごうと
からからと
とるに足らない
小さな祈り

おかえりなさい
最後の人類
この宇宙に誰もいなくなっても
白米と
鯖缶が
待っている

まーゆーげーのげんかつぎー
ブランコ直角ちょっと過ぎたとき
投げた下駄の結果を消すのだ
ゲンナリしないで聞きたまえ

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ボーナストラック＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝