遠き山に日は落ちて
よいこは帰れのチャイムが鳴る頃
台所の上の方で換気扇は
間引かれた芽のための
鎮魂歌を歌っている
一人暮らしの学生の耳に
出勤中の未亡人の耳に
スーツを脱げない失業者の耳に
ごうごうと
からからと
とるに足らない
小さな祈り
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