note版:自己を啓発する本(自己を啓発するとは言っていない)


自己啓発本

世の中には自己啓発本といったものが数多くある。
これらの著作は非常に素晴らしい出来だ。
今現在うまくいっていない人、今から10年後に薔薇色の人生を送りたい人からすると、自己啓発書の類は光り輝く天啓の書に見える。
有名著作は数あれど、その中でもデール=カーネギー『人を動かす』、ナポレオンヒル『思考は現実化する』は二大巨頭であろう。
私も十代の学生の頃、父親の本棚にこれらの著作があったので読みました。

だが、これらの著作を読むたびに非常に前向きになると共に、どこか腑に落ちない思いも同時に出てきたものだ。読後はいつも「何かを言っているようで結局何も言っていない」様な空しい気持ちに陥る。
まるで

夏休みの夜店に行ったのに特に何も楽しみがなかったようなそんな虚しさ


というのも読んでいく中で語られているのはひたすら、「目的にためには自分の自尊心を捨てて何を言われても相手が満足するように計らいなさい」という様な言うは易し行うは難し感、「目的のためには自分の価値観さえも捨てる必要がある」ような本末転倒感さ加減である。

我々がしたいのはそんなことではない。

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