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第7話 蜘蛛の糸 後編

あさ 「いきなりですみませんが、こちらの事業計画書を見ていただきたいんです。」

このあいだの目次の続きを印刷してきたようだ。

あさ 「せっかく来ていただいたので」

彼は私の分も用意してくれていた。どうやらコピーとはこのことだったらしい。
彼は根はとても気配りのできる人間だ。

計画書に目をやると、例の目次を水で薄めたような文章と、枠のない表が書かれている。



準備ができたようなので、吉田栄作 役の私は司会を始めた。


「「いくらを希望しますか」」

あさ 「10万円です」

「「そのお金の使い道は」」

あさ 「ここに書いてありますよw」





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私の中の虎が吠えそうになった。



かも 「お貸しますよ。面白そうなんで。」

釈迦は10秒ほどで読み終え、カンダタに蜘蛛の糸を垂らし始めた

あさ 「ほ、ほんとうですか?!」


「「この時点で、あなたの希望額に合計額が達しましたので、マネー成立です。」」

あさ 「・・・・・・」

私 「・・・・・・?」

あさ 「・・・・・・」

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あさ 「あの・・・ここまできてすみませんが・・・」

あさ 「いや、よく考えたら、さすがにいきなり10万円なんて大金を借りるのは迷惑かけちゃいますよね。やっぱりやめます・・・」


すでにいくつも迷惑をかけている彼は、この日一番申し訳なさそうにそう言った。


私 「いいんですか?融資してくれるんですよ」

あさ 「はぁ。。。なんだかお腹が空いたなぁ。」


もはや彼に私の言葉は届かず、メニューを見ながら「高いな・・・」などとブツブツつぶやきはじめた。


私はとうとう彼との間の分厚いアクリル板の存在を疑いはじめた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



食事会の帰り道。

かも 「もし融資が必要になったらまた声をかけてくださいね。」

あさ 「はい・・・。あの、ところでもう解散なんですか?」


彼は手を震えさせながらそう言った。ギャンブル依存の禁断症状だ。

釈迦の蜘蛛の糸にならい、私は釣り糸を垂らしてみた


私 「あれれ~?まだ21時かぁ~。ひまだなァ~。」

あさ 「あの、麻雀とか・・・」

私 「終電までならいいですよ。」


0.1秒で答えた。





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【 第8話 蜘蛛の糸 緊急融資編 】



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フィリップ
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