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【あっさじーん伝記】 差し入れクラッシュ

森 「次のあさじの出勤いつだっけ?」
私 「19日水曜昼」
森 「いくか」
私 「ちゃす。平沢に声かけた。三鷹の『健やか』っていうラーメン屋行かない?」
森 「コール。稚児さん呼んだ。」
私 「ちゃ」

無駄のないスムーズな会話で遊図訪問が決定された。
あさちゃんとの会話ならあと5往復くらいかかるだろう。


2020年2月19日(水)11:30 三鷹『健やか』へ。

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『健やか』の特製 塩と貝のラーメン(1,030円)。

貝と鶏ベースのスープで出汁が濃いめ。
鶏チャーシューはシットリしていて、薄切り豚チャーシューはまるでローストビーフのように旨味が強くかなり美味しい。その上、麺も歯応えがあってかなり良い。味玉も申し分ない。
全体的に完成度が高く、文句のない味だ。


三鷹にはもう一店、究極の醤油ラーメンがある。『麺屋 さくら井』だ。

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『麺屋 さくら井』の特製醤油そば(1,100円)

こちらもいつの間にかスープを飲み干しているくらい美味しい。初来訪時にスープを飲んだとき、「まじか」と漏らしてしまった。文句なしに私の人生ナンバーワンと言えるラーメンだ。死ぬ前にはこのスープを飲みたい。

醤油、塩でそれぞれ美味しい店があるというのは駅としての強みである。その三鷹駅から徒歩3分に位置する遊図は羨ましいかぎりだ。



12:30
あさちゃんの勤務にギリギリ間に合う形で遊図に到着した。

森&平沢&私 「ちゃす」
澤田 「どうも、いらっしゃい」
私 「あれ?あさちゃんは?」
澤田 「あさじんくんまだ来てないよ
森 「遅刻やん」

あさちゃんはまだ姿を現していなかった。遊図の開店時間は13時だが、従業員はその30分前には集まらなければならないはずだ。

12:40
澤田さんがあさちゃんに連絡すると、「あと10分で着きますよ?」と返事が来た。

澤田 「このクエスチョンマークは一体なんなんだよ!もうすでに10分遅刻してるんだよ!w
私 「気がお狂いになっています」

思いやりのある澤田さんは、あさちゃんが金欠すぎて昨晩に夜勤をぶちこんだのではないかと心配した。

澤田 「夜勤明けじゃないんだよね?」
あさ 「はい」

澤田 「夜勤明けじゃないのになんで遅刻してるんだよ!w もう意味がわからないよ!
私 「ご愁傷様です」

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私がツイッターでおちょくると、やはり開始時間を勘違いしていたことがわかった。

澤田 「ちょっと前までは、夜勤明けで大変だろうからあさじんくんは少し遅れても良いってことにしてたんだよ。でも、いまは夜勤がないんだから普通に来てくれないと困るよぉ」
私 「困りますねぇ」

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澤田 「関係ないってどういう意味なんだよぉ!もう意味がまったくわからないよぉw
私 「おつかれさまです」

あさちゃんの相手に疲れすぎたのか、澤田さんは開店5分前ですでに12時間働いたような疲労感を見せていた。


13:00
あさちゃん到着。

彼の到着の少し前にお客さんが2名来ていたため、彼はすぐに本走へ入ることになった。

その半荘が終わって皿洗いを始めたあさちゃん。私は隙をみて差し入れのチョコを渡しに向かった・・・。



私 「あさじんさん、これチョコです。プレゼントフォーユー」
あさ 「・・・・・・」

あさちゃんはチラッとこちらを見たが、忙しいのか興味ないのか、はたまたキレているのか、すぐに業務に戻ってしまった。仕事に真面目なのは良いところなのだが、お客様を完全に無視。これはいけない。

私 「ここ置いておきますね」
あさ 「・・・・・・」

虫の居所が悪いようなので、私は近くにチョコを置いてその場を立ち去った。エジンバラのような机叩きでチョコを粉砕されては困るからだ。



すごろくを嗜んでいると、トイレのほうからなにやら話し声が聞こえてくる。あさちゃんと澤田さんである。どうやらあさちゃんが叱られているようだった。


結論から言うと、原因はあさちゃんの得意技「空耳アワー」で、澤田さんが悪口を言っていると勘違いしているだけだったのだ。

実際には、遊びに来ていた従業員が「ペルージン」と言ったのだが、あさちゃんはこれを澤田さんの発言だと思い込み、「さっきペルージンって言っただろ!?もうそういうこと言わないって約束しただろ!?帰って良いですか!?」とネズミ花火のように噴出したのだった。

このペルージンという言葉は、そもそもアスペルガーから派生してアスペルジンと呼ばれていたあさちゃんがブチ切れ。その後、ペルジンに変更されたが、これも「ペルはアルペルガーのペルだろ!!!」と発狂。これは正論だ。

そうしてペルペルやポルポルを経て、「ポルジン」に落ち着いたという経緯だ。今回の「ペルージン」は遊図では完全NG「ポルージン」ならセーフというギリギリの戦いが行なわれている。


ちなみにジンはあさじんのジンだと私は思うのだが、これについて政府から正式な発表はなされていない。

澤田 「ペルージンって言ったのはメンバーの〇〇君だよ。怒るのはわかるけどちゃんと聞いてからにしてほしい。そんなカッカしてたらお客さんが引いちゃうでしょ?頼むよ」

あさ 「  」



説得の終わった澤田さんがノシノシと歩いてきた。

澤田 「本当に大変だよ」
私 「澤田さん、あさちゃんはチョコ食べてくれてました?」
澤田 「一ミリも手をつけずに冷蔵庫へ入れてました」
私 「ヨカッタデス」

普通だったら悲しんだり怒ったりするかもしれない。ところがこのとき私は嬉しかった
なぜならすぐにゴミ箱に捨てられると思っていたからだ。しかもちょうどに真横にゴミ箱がある。冷蔵庫よりゴミ箱のほうが近かったのに、冷蔵庫に入れてくれたというのは嬉しい気持ちでいっぱいだ。


その後、予定通りに14時ごろ稚児さんが到着。
地元に戻られていたようで、あさちゃんのためにわざわざお土産まで買ってきてくれていた。通常ありえない優しさだ。

あさ 「え?!またいただいちゃっていいんですか?嬉しいです!本当にありがとうございます!

私 「さっきと全然対応ちゃうやん」
森 「フィリア君はあさじ式スーパー減点法で点数引かれすぎたな」
私 「  」


しばらくすると、澤田さんとフリーで代走に入っていたあさちゃんが『ショートコント西森さん』を始めた。

あさ 「西森さんお戻りデス!」
澤田 「ちょっとちょっと!お客様のお名前は西森さんじゃないから!わからないなら無理に言わなくていいから!」
あさ 「 あ、灰 」

ちなみにこのやりとりはこれが初めてではない。結構な頻度で開催されている。
あさちゃんは素でやっているが、これもお客様を楽しませようという彼の無意識下のサービス精神が表面化したのだろう。そうでも思わないと店側はやってられない。




18時ごろ電話が鳴り、あさちゃんが急いで受話器を取った。

あさ 「オデンワアリガトウゴザイマス、マージャンユズデス

いつもの抑揚ゼロで応対をこなすあさちゃん。抑揚はゼロだがやる気はMAXだ。「ショウショウ、オマチクダサイ」という声と共にこちらへやってくる。

あさ 「あのぉ、ちょっといいですか、皆さん何時ごろまでセットされますか?
森 「え?僕たち?どうしてですか?」
あさ 「22時からセットしたいというお客様がいらっしゃるので
森 「ああ、大丈夫ですよ。長くても20時くらいまでです」
あさ 「ワカリマシタ、アリガトウゴザイマス


大変すばらしい接客だが、欲を言えば「只今お客様からお電話をいただいて、22時からセットをしたいそうなのですが、こちらは何時ごろまで遊んで行かれますか?」などと訊いていたらより良いだろう。あと抑揚も。

質問するからには理由がある。質問する側は、その理由を最初から明示するとスムーズになる

これを意識しないと、天鳳で降段直後の人に対して「〇〇さんは今回~戦で六段に降段したということでよろしいですか?」と完全に煽ってるような質問をして相手を怒らせてしまったり、説教途中の澤田さんに「ところで話は変わりますが、澤田さんは糖尿病ですよね?」とぶち込み、より澤田さんの怒りを買ってしまうなんてこともある。通常ありえないが、どちらも実際に起こった悲劇だ。

目の前でやりとりが行なわれていたら目玉が飛び出るレベルの話である。皆様にも、反面教師として気を付けていただきたい。



すごろく中に澤田さんがまた見学にいらっしゃった。

澤田 「次のyoutube企画、どんなのがいいかなぁ?」

麻雀遊図はこのたびYoutubeのチャンネルを開設したようだ。

ちなみに、この「ポルージンチャンネル」という名称にもあさちゃんは当然の大発狂。

「このポルージンというのはなんですか!」
「返答次第では水曜(19日)は出勤しませんよ」
「すみませんが、やはり遊図の勤務はもうやめさせてもらいます」

3連コンボをかましたあと、遊図従業員のLINEグループにて、

「体調不良により明後日の勤務をお休みします。どなたか交代をお願いします」

と言い残してグループを即退会幻の5連コンボをつなげた。

これに対して澤田さんは「きみのことポルージンと呼んだことはないよ。メンバーの一人がポルージンという言葉を気に入って、自分をそう呼んでくれっていうから使ってるんだよ」と大人の対応。
ちなみにこれは言い訳ではなく事実である。


私 「やっぱYoutubeはあさちゃんに出てもらうしかないすよ」
澤田 「いやぁー、彼は出てくれないよ。それこそ出演料払わないと」
森 「出演料を払ってあげたらどうですか?」
澤田 「500円とかでやってくれないかな?」
私 「もうちょっとだけ払ってあげて」
森 「いや、あさじの500円は僕らの5000円くらいあるよ
私 「推論だけど、1000円くらいまでは我々と同じ感覚で、それ以上はすごく高くなるんだと思いますよ。二次関数みたいに」

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あっさじーんの金銭感覚をy
我々の金銭感覚をxとすると、
y=(1.5x)^2

ちなみにこの方程式にあさじんクラッシュである10万円を代入すると、彼の金銭感覚では2,250万円になることがわかった。

彼は当時「首吊ってもおかしくない額ですよ!」と大げさに喚いていたが、確かにこう考えると首を吊ってもおかしくない金額だ。
最初からこの方程式とグラフを提示してくれたら、さすがの私も20年ローンくらいで組んであげたのに、と思う。


私 「でも、ちゃんと勤務してくれるのは偉いですよね。毎回5000円負けるからもう勤務入りたくないって言ってたのに」
澤田 「あれもね、毎回5000円負けてるんじゃなくて、3回入って15000円負けたって話だからね。それに給料は残ってるから」
私 「いやあさちゃんの5000円は我々の5万円だからかなり痛いですよ。森くんと平沢だってフォーシーズンのシフト入って毎回5万負けたら辞めるでしょ」
平沢 「絶対辞めるね」
森 「それはブチブチのブチだわ。あさじさんキレずにちゃんと働いてえらい
澤田 「いや、結構キレてるよ
私 「解雇だな」

遠くからあさちゃんが睨んでいるような気配を感じた。


その日は19時ごろにすごろくを終了し、澤田さんの「あさじんくん!君の大親友がお帰りだよ!」という恒例の煽りとともに我々は退店した。

彼の「アリガトウゴザイマシタ」というペッパー挨拶は当然聞こえなかった。



その夜。

あさ 「まだ三鷹にいらっしゃいます?」
私 「もう帰っちゃいました。どうしました?」
あさ 「本当に申し訳ないのですが、フィリアさんと稚児さんに頂いた差し入れを遊図に忘れて来てしまいました
私 「あれま」

冷蔵庫に入れたという時点でそのまま忘れるのは想定できることなので、まったく怒りなど湧かなかった。
チョコをプレゼントしたときには、ゴミ箱に直行(50%)、放置(50%)とさえ予想していた。ややポジティブすぎるかもしれないが、冷蔵庫に置いてそのまま忘れるなどというのはほぼ食べたのと同じだ。

怒りのコントロール』で解説したように、怒りとは予想外の出来事に対して抱く感情である。つまり、予想していれば怒りなど湧いてこない。
あさちゃんにチョコをあげたら、捨てられるかもしれないし、ぐちゃぐちゃに叩かれるかもしれない。冷蔵庫に入れて忘れるかもしれないし、電車に置き忘れるかもしれない。
そんな風に考えれば、彼に怒りを抱くことなどないのである。

私 「全然いいんですよ。忘れちゃったのなら仕方ないです。また今度ご飯ご馳走しますから、どこか食べに行きましょうよ」
あさ 「いえ、澤田さんに送ってもらいます


送ってもらってでも食べようという彼の真面目さと、遠回しに食事を断られたという事実に、私は涙を流しながら就寝した。



その後。。。あさちゃんから怒りのお便りが届く。

あさ 「俺の記憶違いだったら悪いのだが、あなたがセットなどの時に動画や画像を撮った時、僕は「ネット上には上げないでください」と言って、あなたはあげないと約束しませんでしたか?」

いきなり何の話だろうか?私はあさちゃんに許可を取っているし、競艇でも競馬でも、目にモザイクをすれば良いと言われたのでその通りにしている。誰かと勘違いしているか、また幻覚と戦っているのだろうか?


私 「あさじんさんと約束してからはアップしていませんし、そもそもツイッターにはアップしていません」
あさ 「そちらが営利目的で約束を破った以上、僕が借金をバックれようとしたとか、あなたに言う権利はありませんよ」

やっぱり何の話をしたいのか意味がわからない。いつもの「本当に訊きたいこと」にもっていくための遠回りのつもりだろう。仕方ないのでこちらの主張を抑えて相手に合わせる。

私 「noteではかなり加工して誰かわからないようにしています。写真の人物とあっさじーんさんは結びつきますが、現実の〇〇さんとあっさじーんさんは結びつきませんよね」
あさ 「目隠しすれば良いって話じゃないですって」

目隠しすればいいって言ったのはあなたです、と言いたいのを抑えてさらに話を進める。


あさ 「そもそも、それならなぜ僕の方はフィリアさんの画像をネットに上げちゃいけないんです?僕も目にモザイクを入れたフィリアさんの画像を今からツイッターに上げて良いですか?
私 「モザイクいれてくれるなら良いですよ。ただ、私はあさじんさんみたいに変顔してないので、それを見た人は「一体なんの目的でアップしたんだろう?」ってなると思いますが」
あさ 「やりませんよ、たとえ話です

たとえ話だったなどどこにも書いてないが、ココも追及すると核心まで遠のきそうなので、さらに話を進めた。


あさ 「あなたと森さんはTwitterで俺が澤田さんに叱られていたことを呟いてましたよね?」
私 「はい」
あさ 「まるで見たかのように言っているが、フィリアさんらの卓の位置からは、キッチンやトイレの前は見えなかったはずです。なぜ僕の挙措がわかったんですか?ぶっちゃけ、盗撮してません?違ってたら大変申し訳ないです」

どうやらこれが本当に言いたかったことだったようだ。
さっきの写真撮影の話は完全に要らなかったのではないだろうか?時間の無駄だからもうちょい頭使って話してください、と言いたすぎる気持ちを抑えて、彼の質問に答えた。


私 「モノにあたったのは、あさじんさんが大きな音を立てたことからわかりましたし、澤田さんに大声で『大きな音立てないでよ』って叱られてたので見なくてもわかります。
トイレの前で怒られていたのも、私の席からは澤田さんの姿が見えたことと、あさじんさんとの話し声が聞こえていたのでわかります」
あさ 「わかりました。大変失礼しました

自分が間違っていたら素直に謝る。これは大変すばらしい。
ただ、疑うのは構わないが、無駄に遠回りするのだけはやめてほしい。明らかに時間の無駄である。


また、彼はこの数日前にもこんなことを言っていた。

あさ 「良くあるんだけど、ふと昔のことを思い出して、急に頭に血が昇ることがあるんですよね」

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科学的には解明されてないが、なにか精神的な問題を抱えているに違いない。
これからは彼からどんな怒りのお便りが来ても、空よりも広い心と海よりも深い慈悲で聞いてあげようと決心した。




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フィリップ
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