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人生を変えてくれたPerfume
私が18歳の時。
歌番組にPerfumeが出ていたのを見た。
ドラえもんの映画の主題歌、「未来のミュージアム」を歌っていた。
衝撃を受けた。
ゆるいトークからのパフォーマンスの切り替えの早さ。
歌詞とシンクロする振り付け。
3人の揃ったダンス。
ビジュアルよさ。
一瞬で心奪われた。
その日からPerfumeのことが好きになった。
すぐにCDショップでアルバムを借りに行った。
大学の行き帰りでは毎日Perfumeの曲を聴くようになった。
Perfumeらしい機械的な曲。
力強くてかっこいい曲。
3人に似合う可愛らしい曲。
全部飽きるくらい聴いたけど飽きなかった。
その中でも「微かなカオリ」という曲を好きになった。
好きすぎて何百回も聴いた。
歌詞も振りも覚えた。
この曲は全体的に透明感溢れる曲で、青空の下、好きな人のことを思い浮かべながら聴くのが最高だった。
大学3年生の時に教育実習があったが、あまりにも辛くて大学に通うのが本当にしんどい時期があった。
毎日泣いて、ご飯も食べられなくなり、ストレスで吐きながら通っていた。
そんな時は、「STAR TRAIN」を聴いて乗り越えた。
「いつだって今が 常にスタートライン」
この歌詞に背中押された。
辛い時期もPerfumeがいるから乗り越えられた。
友達を誘って初めてライブに行った。
圧巻だった。
目の前にPerfumeの3人が出てきた時は「本当にいるんだな〜」と眺める冷静な自分と、大興奮している自分でわけのわからない感情になった。
あ〜ちゃんは毎回ライブの最後のMCで、「また会える時まで頑張ろうねー!」と言う。
その言葉通り、また会う時まで私は本当に頑張れた。
ファンクラブに入り、ライブは毎回通うようになった。
ステージに立っている3人が好きで、毎回感動し、勇気をもらえた。
「Perfumeに入りたいなんておこがましいことは言わない。」
「けど、Perfumeみたいになりたい気持ちはどこかにある。」
私もステージに立ちたい。
歌って踊りたい。
ただのファンから、私もそちら側にいきたい!そんなふうに思うようになった。
私は教育学部に通うただの大学生。
将来は教員になるために勉強していた。
夏に採用試験に合格し、安定した未来が待っている。
冗談で「私もPerfumeになりたいわ〜」なんて友達に言うときはあったけど、まさか本気で「ステージに立って踊りたい」なんて夢があるとは誰にも言えずにいた。
春、私は無事に小学校の先生になった。
キラキラした世界ではなかったけど、みんな常に一生懸命でそれはそれでやりがいのある仕事だった。
ときどき本気でしんどい時もあったけど、やっぱりそんな時はPerfumeの曲を聴いて前に進んだ。
休みの日はPerfumeのライブDVDを何回も見た。
ステージで歌って踊る3人はやっぱり憧れだった。
教員2年目で決意した。
やっぱり諦められない。
憧れを憧れのままで終わらせたくない。
今の仕事も大好きだけど、やっぱりステージに立ちたい。
私は教員を辞めた。
周囲の理解を得るのは大変だった。
教師辞めるなんて勿体無い、なんて言葉は何回も聞いた。
理解してもらえなくてもいい。
自分と自分の未来を信じることにした。
私は自分で事務所を探して、いろいろなオーディションを受けて、ついに音楽の世界に飛び込んだ。
アイドルになった。
Perfumeとはちょっと違うかもしれないけど、違っていい。
だってPerfumeは唯一無二だから。
映像やライブで見る世界とは真逆だった。
キラキラした世界を想像していたけど、実際は泥臭いことが多かった。
体育会系の部活に所属している気分だった。
生活のために、ファミレスのバイトや倉庫の仕事をして、それが終われば夕方からレッスンやミーティング。
土日は必ずライブの予定があった。
休みは全くない。
常にヘトヘトで疲れてはいた。
だけど、幸せだった。
やりたいことをやれるってこんなに幸せなんだと実感した。
もちろん辛いこともあった。
涙が止まらない日もあったし、ストレスで激痩せしたこともあったし、不安で朝まで眠れない日もあった。
今でも震えるくらい悔しかったことも、
理不尽なことも、
許せないことも、
深い傷を負ったことも、
私は一生忘れない。
それでもやっぱり振り返ってみたら、すごくすごく幸せだった。
ライブは毎回楽しかったし、
ファンの人の存在が常に自分の支えだった。
そしてどんなに辛いことがあってもアイドルである時は忘れられる。
あぁPerfumeもこんな感じなのかな、なんて思いながら練習に励んだ。
Perfumeとの出会いがなかったら間違いなく運命は変わっていた。
Perfumeが私を変えた。
元々は消極的で人前に立つことが苦手だった。
そんな自分がステージに立つようになったなんて今でも信じられない。
Perfumeとの出会いがあってから、1歩踏み出せばいくらでも未来は変えられること、夢は叶うことを学んだ。
アイドルになってもやっぱりPerfumeは遠い遠い手の届かない存在。
それでも私に大切なことを教えてくれた。
憧れは憧れのままに終わらなかった。
終わらせなかった。
いくらでも夢は掴み取ることができる。
アイドルは卒業してしまったけど、未来は続いていく。
やりたいことは全部この手で掴み取る。
そんな姿を私は発信していきたい。
これからもPerfumeに元気をもらいながら、自分も誰かに元気を与えられる存在になりたいと思う。