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初めての鎖骨下タトゥー

鎖骨下に人生で初めてのタトゥーを入れた。

"Mi vida loca"

このスペイン語を直訳すると、「私のクレイジーな人生」。
一度きりの人生を情熱的に生きようぜ!!といった意味で使われる言葉。
ゆるいフォントで彫る言葉ではない気がするけれど、そのギャップも含めて自分らしくて気に入っている。

今回の記事では、タトゥーを入れるに至った経緯は割愛して、ビビリで注射すら苦手な私がムツゴロウさんのおかげでタトゥーの痛みを感じなかった、というエピソードを紹介したい。

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あれはもう20年以上も昔のこと。
ムツゴロウさんがライオンに噛まれて指を失ったというニュースが報じられた。動物好きな私はムツゴロウさんの動物番組をよく観ていたので、かなり衝撃を受けた。
その後の動物番組だったか別の番組だったか記憶が確かではないけれど、「指を噛まれて痛くなかったのですか?」という問いに対して、ムツゴロウさんは「本当に痛い時は痛みを感じないし、痛い!と思うと余計に痛みを感じる。痛くない、痛くないと思えばそんなに痛みを感じないんだよ。」というようなことを言い、出演者の男性タレントに指か腕を噛ませていた(幼い頃の古い記憶だから、もしかしたら記憶違いもあるかもしれないけれど)。

それを見た好奇心旺盛な私は、自分の左腕に思いっきり噛みついてみた。ムツゴロウさんの言う通り、「痛くない」と自分に言い聞かせている時は痛みを感じなかった。逆に、「痛い」と思えば痛みを感じた。それが不思議で、内出血するまで何度も試してしまった。幸い、歯形のような痕は残らなかったけれど、今でもその部分だけ肌の質感が少しだけ違う。

この"ムツゴロウさん式鎮痛法"が、20年以上の時を経て役に立つ日がやって来た。

私はビビリなので、タトゥーを入れる前にはもちろん「タトゥー 痛み どれぐらい」などと検索しまくった。ネット上の情報によると、鎖骨下は骨に近いぶん腕に入れるよりも痛みを感じやすいのだとか。腕でも痛そうなのに。医療脱毛で使うような麻酔クリームが使えたらいいのにな…とか思いながらも、やっぱり痛みに耐えてでも鎖骨下にレタリングタトゥーを入れたいという気持ちが優った。

タトゥースタジオに予約をしてしまうと予約の時間までソワソワしてしまいそうだから、飛び込みOKのところにノリと勢いで突撃した。

ドクロのインテリアが飾ってある薄暗い店内に、無愛想でイカついモヒカンのスタッフがいて…

という、わたしが勝手に思い描いていたイメージとは真逆で、白を基調とした明るく清潔感のあるタトゥースタジオだった。感じのいい女性スタッフが優しく声をかけてくれて、なんだかエステサロンみたいで拍子抜けした。

デザインなどの打ち合わせの後、ついにその瞬間がやってきた。

タトゥーを彫る機械のブィイイインという音にビビって、脱いだ服を両手で握りしめた。

そして深く息を吸って目を閉じたとき、瞼の裏にあの人が現れた。

ー そう、ムツゴロウさんが!!!

自分の左腕を噛んだあの時みたいに、きっと痛くないと思えば痛くなくなるんだ…!

彫られている間、ずっと私は心の中で「気持ちいい、気持ちいい、これはエステだ」と自分に言い聞かせ続けた。

その結果、痛みを微塵も感じなかった。それどころか、彫られている感覚と機械の振動が心地よく感じた。嘘みたいでしょ。

私のデザインは細いラインだから、塗りつぶすようなデザインと比べるとそもそも痛くないものなのかもしれないけれど、あまりにも余裕だったので驚いた。自己暗示ってすごい!

ありがとう、ムツゴロウさん!!!

「鎖骨下 タトゥー 痛くない方法」と検索してこの記事に辿り着いたビビリな人、ぜひ実践してみてね。

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