ALS患者ブライアン・ウォラックの革命に心揺さぶられた【映画】フォーラブ&ライフ~ALS患者の活動を追って~
アマゾンオリジナルのドキュメンタリー「フォーラブ&ライフ~ALS患者の活動を追って~」を観た感想を綴ります。
上記はアメリカアマゾンのオフィシャル予告編です。日本アマゾンの視聴ページは下記になります。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CWDJVQT2/ref=atv_hm_hom_c_TEdR0r_5_1
ブライアン・ウォラックはオバマ元大統領の最初の選挙運動にも参加したとても優秀な弁護士でした。同じく選挙活動を一緒にした女性と幸せな結婚をして子供にも恵まれ、これから幸せな人生を家族と歩もうとする矢先の2017年36歳の時にALSと診断されました。
彼は映像の冒頭にこう語ります。
この冒頭の言葉にすごくドキっとさせられました。
私も免疫不全の難病を患っていますが、病気になる前までは「難病は大変だな」と思ってもなかなか自分の事として考えられませんでした。
でも病気に罹患して、今までできていたことが出来なくなり辛い思いや悲しい思いをして初めてこれは大変な問題なんだと気づいたのです。
また無関係でいたくないと思っていても、この辛い思いは当事者でないと理解するのは難しいので、実際に自分が何を出来るのかと考えている方も多いと思います。
病に立ち向かう患者を映すドキュメンタリーは沢山ありますし、そういう患者さんが日常のリアルを見せてくれることによってその病気の啓発になります。
たとえばセリーヌ・ディオンが「スティッフパーソン症候群」になり、その苦しみをもカメラの前で見せたドキュメンタリーも観ていて心が辛くなりましたが、同時に病気罹患後の楽曲「Love Again」からすごく勇気をもらいました。
ブライアンと他の患者さんと少し異なるのは、自分がぶち当たった医療制度の壁を破るために、自分が今まで培ってきた知識とネットワーク、政治力をフルに使っていったことです。
まずALS治療のための研究資金をたった2年で8000万ドル確保し、更に議会でALS法を可決させました。
ALS法とは新薬の承認プロセス短縮と臨床試験中の治療への参加を求める法案です。
議会へのこの法案提出のために60名上の上院議員を共同提出者にしたのは、代弁者の360名以上のALS患者家族でした。彼らはブライアン達の働きかけによって地道に議員と連絡を取り続けたのでした。
これ。
啓発の先にあるべきものはこれなんだなと思いました。
政治家は国民の代弁者なんですよ。
その政治家を動かすのは私たち一人ひとりなんだなと思いました。
だから先ほど言った、無関係でいたくないと思っていても自分が何を出来るのかな、と考えている人は選挙があったらまず投票に行きましょうね。
それから、ブライアンのように影響力のある人が活動していたらその活動を声を上げて他の人に知らせてあげたりすることも出来ることなのではないかなと思いました。
ALSの治療法が確立するまでにはもう少しかかりそうですが、それでも数年前と比べたらだいぶ進歩しました。
80年代エイズが出始めたとき、まだ何も正確な情報もない中で私は子供ながらものすごく怖かったのを覚えています。でも今や治療薬もあり「死の病」と言われることはなくなりました。
私の病気も完治することはなくても、お薬さえ飲んでいれば進行を抑えることが出来て日常生活を送ることができます。
医療の進歩はすばらしい。
だからこそ、ALSのような進行の早い病には迅速なフットワークで対応が必要なんですよね。
感動だけでは終わらない、ブライアン・ウォラックのドキュメンタリー、是非沢山の人が見てくれるといいなと思います。
では、また。
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