学級の振り返りの質を上げるためには数値を活用しよう【Google フォーム活用】
学期ごとに自分達の成長を振り返る場面が学年で設定されていることがあります。また、そのような場面がなくとも、4月に語った ”学級担任の願いの確認” や、学級みんなで作った ”学級目標の達成状況の確認” は必要となってきます。
自分達の姿を振り返る時、課題は多く出すことができます。忘れ物が多い、挙手ができない、時間を守ることができていない、・・・。これらの課題を列挙して、実際課題を克服することができることは数少ないでしょうし、自分達の苦手とするところをずっと指摘し続けるということは、聞いている側も段々と辛く落ち込んでいってしまいます。もちろん、課題に目を向けることも大切ですが、それよりも今自分達ができていること、頑張れていることに目を向けて指導していく方が、圧倒的に楽です。
数値にこだわる価値
数値にこだわるメリットは、
比較検討しやすい
なんとなく→具体的に可視化
感覚のズレを見つけるきっかけに
これらのメリットがあります。「なんとなくできている」という表現だと、人によって感覚が異なることで、よりよい振り返りをすることはできません。また、「一部の人ができていない」という課題を見つけた時に、もしかしてその課題がある児童生徒は、まさか自分のことではないはず…と思っているかもしれません。そういった細かい感覚的なズレを見つけることができ、そのズレを共有することで、学級としてどうしていくべきなのかを考えることができます。
数値だけでは測れないこともある
そもそも数値自体に正確性がないので、数値にこだわりすぎて数値を上げることに努力するような指導をしてしまうことは避けなければなりません。あくまで1つの指標であり、感覚の一部を可視化することが目的であることを忘れてはいけません。
振り返りを行うためのアンケート作成
使用するツール
Googleフォーム
Googleスプレッドシート
Googleフォームのアンケート作成
先生自身がどのような視点で学級経営をしていきたいのかで作成する設問数や内容が変わります。例えば、わたしは『挑戦』『自制心』『学習』『あいさつ』などの項目を設けて、それぞれ何についてのことなのかを説明を加えながら設問を作成しています。
学校生活の多くを網羅できる項目であると、自分達の良さをどこかに見出すことができると思います。特定の領域(例えば授業に関わってなど)とすることも良いとは思いますが、目的が何によるのか、どんなことを振り返らせたいのかによって判断する必要があります。
フォームから送信されてくるデータをリアルタイムで集計を行えるように準備
フォームから送信されてくるデータをリアルタイムで集計を行えるように準備しておくことで、児童生徒からのデータをリアルタイムで共有することができ、1時間の授業内で振り返ることができます。
アンケート調査をグラフで示し、共有
スプレッドシート上にタイムスタンプとは別のページにグラフを表示するページを作成します。そして、各項目ごとに何%できていると判断したのかを一目で見ることができるように表示しておきます。そのページを ”閲覧者として共有” し、そのデータをもとに話し合いを進めていきます。
学級の様子を数値で振り返ろう【Googleフォーム活用事例】まとめ
タブレットを活用することで、従来の ”紙ベースでアンケートを行い、先生が集計し、エクセルに入力。グラフ化したものを印刷し、次の時間に議論” という長いプロセスを、一瞬で終わらせることができます。このように、明らかに学級の振り返りを行うための準備やその後の処理を簡素化できるので、しっかりと議論する時間を確保することができます。
アンケート直後に自分達の結果をみることができることも、児童生徒の記憶に新しいからこそ、議論するきっかけにもなると思います。
これから2学期、学年末と振り返りをする場面が多くあると思います。特に学年末では、この1年間でどの程度成長することができたのかを振り返り、次の学年につなげていく必要がありますから、ぜひ活用してみてはいかかでしょうか。