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姿勢改善・歩行改善 少ない知識で最大限の結果につなげる『神様の設計図』
【はじめに】
簡単な自己紹介
あるくん歩行体操教室、姿勢トレーナーの東 史(アズマ フミ)と申します。
大阪府枚方市の体操教室では、ミドル世代シニア世代の姿勢矯正と歩き方矯正トレーニングを行っています。
生徒さんのほとんどが、脊柱側弯をお持ちです。
上の自己紹介記事に、姿勢トレーナーになった経緯を書いています。私は、医療関係者ではなく、異業種のパッケージデザイナーの経験を基に、重度側弯症の娘を元気にしたいと考えて、姿勢改善と筋力低下からの脱出方法を考え始めました。
設計者の思考回路
使用する素材は違っても、設計のお仕事をされる方は、最小限(材料や工程)で最大限良いものを提供できるように、一番いい落としどころを考えるのが普通だと思います。
先日、一人でパーツが31ある組み立て家具を、2時間で組み立てました。設計者の意図を考えながら組み立てることや、付属品のネジの形やナットの形の意味を考える習慣と、その中での気付きが喜びになっています。
「なるほど。なるほど。よく考えてる」と、感心して設計者をリスペクトする気持ちは、同じ設計者だったから余計に感じることです。
娘の側弯症をなおしたいと願った時に、人間の体をもう一度よく考えたいと思いました。その時から、人間を造った神さまの意図(設計図)を考えるようになりました。
【パッケージの設計と体の設計の共通点】
神様の意図について考える
パッケージデザイナーにもいろいろですが、私は、段ボールメーカーの会社で、段ボールを使用したギフトケースの設計をしていました。
パッケージデザインの仕事では、中の商品を守って消費者の手に届くことを考えます。設計過程では、商品を守る以外のことも考えます。
1.中身を守る強度と容積を保つ材料➡内臓を守る条件を満たす筋肉
胸部や腹部は、内臓を守る箱として容積を保ちながら重力と自重に耐える力が無ければいけません。
2.ギフトとしての魅力➡体表面の見せ筋
体表面の見せ筋は華美な装飾と同じで、姿勢の悪化や筋力低下時は必要なくできるだけ軽い方が好ましいはずです。
3.輸送時の安定性➡歩行のための必要条件
人間の歩行では、体の軸がブレることで脚を前に出す力が弱まります。ブレない軸部分の筋力が必要です。
4.材料や製造工程の簡素化➡( ? )
材料や組み立てやすさ、製造工程を出来るだけシンプルに不要なモノは省きます。
4の簡素化を人体で考えてみました。不要な骨格や筋肉は存在するだろうか?と考えましたが、この簡素化は、人体の設計者の神さまが、既にやっている事で、人体の骨格や筋肉は、今あるものに無駄で不要なものはないのです。
これ以外に、段ボールの特性は、時間経過や湿気など条件によって撓んで弱くなります。この点が、更に人間の体にそっくりなのです。
1~4の神様の意図を汲んで、筋肉作りについて考えがまとまりました。
⑴骨格(容積)を保って、自重を支え重力に負けないだけの筋肉作り
⑵華美な見せ筋は不要で、姿勢保持や歩行のためにも体の軸になる筋肉作り
⑶不要な要素がないため、理想の骨格状態を目指す全身を考えた筋肉作り
⑴~⑶を、目指して筋肉作りを考えました。
骨格維持と歩行を保証するための筋肉の配置
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強度を保って空間を保証するための役目は建築などと何ら変わりません。人の筋肉も、どういう向きで働く筋肉かで役割は決まっています。
垂直=負荷に耐えて強度を保つ
水平=空間を保持し保証する
斜め=補強が必要で追加する
短い=部分的なパーツを繋げる役割
長い=広範囲にパーツを繋げる役割
筋肉の役割や目的が分かると、たくさんある筋肉の名前を知らなくても、必要最低限で形や向きや大きさを知れば、その筋肉が理解できます。
もちろん、人に説明したり伝える時には筋肉の名前など専門用語が必要になります。しかし、体操法を考えるだけなら専門知識より筋肉の役目役割の理解する方がずっと必要だと思いました。
骨格を作る垂直・水平・斜めの筋肉
上に挙げた、垂直、水平、斜めの筋肉は次のような筋肉が挙げられます。
〈負荷に耐えて強度を保つ垂直な筋肉ー例〉
・ヒラメ筋
・腓腹筋
・大腿直筋
・大腰筋(斜めの役割も持つ)
・脊柱起立筋
・腹直筋
〈空間を保持する保証する水平な筋肉-例〉
・梨状筋
・短内転筋
・横隔膜
・腹横筋
・大胸筋
・僧帽筋
〈補強のために必要な時に考える斜めの筋肉-例〉
・長母趾屈筋
・長趾伸筋
・長内転筋
・大腿二頭筋長頭
・縫工筋
・広背筋
・腰方形筋
【運動を保証するための人体構造】
設計者の意図として読み解く人体構造
パッケージの箱や建築物などで見る垂直、水平、斜めの部材の役割は人体も共通しています。しかし、人間の特徴は運動することです。
運動、特に直立二足歩行するための人体の構造について考えました。
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①胸部は、呼吸器を守るために空間保持の水平の筋肉が多いです。
③の骨盤でも、空間保持の筋肉は重要になります。
②頸部や③腰椎部や④脚部は垂直と斜めの長い筋肉が多く、支える筋肉が重要です。
その中で、③腰椎部は大きな斜めの筋肉が、強度と柔軟性で上半身と下半身を繋いで動きます。
⑤足部は、水平と斜めの細かい筋肉が多数あり、足裏が本来繊細なコントロール力を持つことが理解できます。
①②③④⑤はバラバラで働くことなく、複数の筋肉がつながって体の垂直軸⑥を作っています。
姿勢改善や筋力低下改善の課題
垂直、水平、斜めの筋肉と、筋肉の短い長いで、役割は決まっています。
⑴重力や自重に負けないための筋肉
⑵骨同士の関係性を良好に保つ筋肉
⑶補強して空間や強度を保つ筋肉
縦横斜めの全ての筋肉で、最低限の筋肉量は必要になります。
縦方向に崩れる=体が重力や自重に負け弯曲して沈んでいる
横方向に崩れる=骨格の位置関係が乱れ、空間が保持できていない
斜め方向がズレる=補強できず、つっかいが外れている
姿勢が崩れている時は、垂直の筋肉の繋がりが弱くなっていることはもちろん、水平の筋肉も崩れ、骨格の関係性に問題が発生して、空間が保てなくなっています。斜めの補強はズレて働いてないこと、もっと言えば本来の状態に戻す邪魔をしている可能性も考える必要があります。
胸郭が狭くなって呼吸器や消化器が圧迫されているようなときは、水平や斜めの筋肉が萎縮しています。解すこと、伸縮させ筋肉の張りを取り戻すなど、状態に合わせて考える必要があります。
⑥の垂直の筋肉が機能する時は、骨格が本来の状態で、水平や斜めの筋肉も正常に機能できるため、垂直軸にこだわることが側弯症などの姿勢改善にも重要と考えました。
人体は、そのままが完璧な設計です。故に、崩れてズレた時には、全身の筋肉が改善の邪魔をします。だからこそ、設計図を理解して対応することが必要になります。
【まとめ】
神様の設計意図を推し量る
側弯症の歪みを直したい。
ずっと自分の足で歩く筋力が欲しい。
筋力低下の状態を立て直したい。
と、考える時に人体を設計した神様の意図を、ぜひ考えてみてください。
神様は、骨格本来の状態で、完全であるように設計しています。
ここだけ直せば・・・。
腰痛さえなくなれば・・・。
この運動だけすれば・・・。
と、簡単に治したい、痛みさえなくなればいい、単純な運動で元気になりたいなどとの考えは通用しません。
神さまの人体の設計図は、そのままが完全体です。完全を目指すこと以外は、どこかしら崩れたり、ズレたりした場所が存在していて、ただ気付いていないだけです。
歪みを放置して、不調をきたすのは、神さまの設計意図から外れてしまったからなのです。
神様の意図に基づいた運動器具と体操法
神様の設計意図をくみ取って考えた時に、側弯症だから歪みが残っても仕方ないであるとか、障害があるから体が崩れていても仕方ないといった考え方は、おかしいことに気付きました。
どんな状態でも、垂直に骨格を保つ筋肉を付ける可能性を追求するべきなのです。神さまの設計意図どうりに骨格を整えなおすために、”あるくんボード”を考案しました。
そして、個々の歪みを解して鍛えるのが『あるくんメソッド』です。
神様の設計図に従ってなおすことは、難しいようで一番理にかなった矛盾がなく短期間でなおせる方法です。
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