マガジンのカバー画像

入院記

64
入院生活中の徒然。
運営しているクリエイター

#雑談

君にだけわかる言葉

入院生活もすっかり板に付き、今日もいつものように本を読んでいたのだが、素晴らしい読書体験とはこういう事か、と思った。ささやかながらよい出会いがあった。
川端康成の「雪国」である。

『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』

という一節はあまりにも有名であるし、そのタイトルと著者もかなりのネームバリューである。
そんな軽い動機で、病棟の本棚に並ぶ数少ないラインナップから手に取った。

物語の

もっとみる

キノウタベタチョコレイトガアマカッタ

今週もはや日曜日が来た。入院していると一週間なんてあっという間である。

今日は珍しく朝食が運ばれる音で目が覚めた。紙パックの牛乳を一気に飲み干して重い瞼をこじ開ける。
しばらくぼんやりして、昨日面会に来た兄からもらったチョコレートを口に入れた。いつぶりのチョコだろうか。大事に食べたい、と思いつつ、昨日と今日でもう4粒も消化してしまった。残り6つ。
いささか大袈裟なのだが、このチョコを全部食べ切る

もっとみる