コーヒー豆を挽く、パンをこねる、鉛筆を削る、、、。
子供の頃、父親のために、弟と代わり番こで、コーヒーミルで豆を挽いていました。
今は亡き父が、20代の頃ヨーロッパを遊学中、フランスの蚤の市で手に入れたと言っていた、そのコーヒーミル。
今は私の手元にあります。
父が亡くなった時に、私はこれだけ欲しいと言って、母からもらってきたものです。
絵描きだった父は、フランスで絵を描いていた頃の話をよくしてくれました。
そして、日本には朝早くから開いているカフェがあまりないことをよく嘆いていました。
家で、バケットを厚く切って、チーズも結構分厚く切って、バターを塗ったバケットに乗せてオーブンで焼いて食べていた父。今からもう40年以上前の話です。。。
きっとフランスを思い出しながら食べていたのでしょう。
そして、このコーヒーミル。。。
父が20代の頃にフランスの蚤の市で買ったということは、もうかなりの年季ものですが、まだまだ全然壊れていません。素晴らしいです。
今では私が、このミルでコーヒー豆を挽いています。
そして、お客さまが来た時は、その人に挽いて頂くのです。
何度も来られている方たちは、もう慣れていて、「コーヒー飲みますか?」と聞くと、「はい、挽きましょうか?」と言ってくださいます。
お客さまがコーヒー豆を挽いている音を聞きながら、私は、お湯を沸かし、お菓子を用意して、カップを選びます。
人によって、挽く速度が違います。笑
以前、コーヒー豆の焙煎をやっている知り合いのおばさまがおっしゃっていた言葉を毎回思い出します。
「コーヒーを淹れるときは、コーヒーのことだけを考えてね」
まるで、禅のようだと、聞いた時に思いましたが、これは本当に大切なことでした。
うっかり何か考え事をしたり、同時に他のことをしながらコーヒーを淹れてしまうと、美味しくならないのです。本当に味が全然違います。
それはもちろんコーヒーだけではないのですが、コーヒーを丁寧に淹れるという一つのことが、今の自分の状態を教えてくれるなぁと毎回感じます。
例えば、私は絵本作家という仕事もしていますが、絵を描くときには、鉛筆を必ずカッターで削ります。鉛筆削りを使うと、何かが違っていて、絵を描くことができません。
なんとなく、コーヒー豆を挽くのと、鉛筆を削るのは、私にとっては似ているなぁと思うのですが、きっとそれは、心を整える、、、作用があるからなのかもしれません。
何か、今というこの瞬間に、スーッと降りていくというか。。。
私は家でパンを焼いていますが、パンを捏ねている時も同じ感じがします。
では、きょうは、私の最近のお気に入りのカフェをひとつご紹介。
鎌倉のslowという革のお店の下にあるカフェ、slow。
とても小さいスペースなので、席が空いていたらラッキーという感じですが、チーズケーキも美味しくて、鎌倉に行くと必ず立ち寄ります。お店の方も皆さんとっても感じがいいです。
手前は、私のオーダーしたカプチーノ、奥は娘のチャイティーラテ。
色々と忙しい日常の中で、コーヒー豆を挽く時間や、パンをこねる時間、鉛筆を削る時間は、一見無駄のように見えますが、そういう時間こそ、日常を豊かに過ごすために一番大切なことのように思えます。
そして、その自分の手を使った動きには、気持ちを落ち着けて、バランスを取ってくれるような効果があります。
そういう時間が取れないときは、人生を楽しむことを忘れてしまっているのかもしれないなぁと思うのです。
きょうは、コーヒータイムに編み物。。。
とても季節外れですが、レッグウォーマーを編んでいます。
編み物も私にとっては瞑想と同じ。
忙しい時ほど、自分の中心につながるための大切な道具の一つです。
今日も読んでくださりありがとうございました。
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ではみなさまもいい時間をお過ごしくださいね。
シャンティ
see you !
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