欲の雲を眺める
欲は雲のように生まれては消える。
そしてまた生まれては消える。
実体がない故、掴んで自分の手元で手懐けるのは難しい。
掴んでも砂のように手から零れ落ちてゆく。
食欲、睡眠欲、性欲、物欲、所有欲、金銭欲、権力欲、自己顕示欲。
生きてる限り付き纏う欲もあれば、社会により肥大化された欲もあり、身体的な依存を引き起こす欲もある。
快楽からくるものもあれば、不安からくるものもある。
未来からくるものもあれば、過去からくるものもある。
人生のモチベーションを保つためことも、満たせないことで人生を絶望させることもある。
満たせば満たすほどもっと欲しくなってしまう欲のループにハマると、周りが見えなくなり他者との関係より自分の欲の開放が目的となってしまう。
それが人を孤立させ、孤独を感じさせ、また新たな欲を作り出す。
欲は満たしてもまたやってくる。雲のように。
実体がないものを掴もうとする限り掴むことはできない。
雲は掴むものではなく眺めるべきだ。
自分から湧いてくる欲を眺め、その傾向や性質を俯瞰することができれば、自分が心では本当は何を欲しているのかが見えてくる。
満たさずにまずは眺める。
そして掴むことより手放すことで欲は手懐けられる。
必要以上の欲を手放せば、後は身近な欲を対処すればいい。
実体が掴めなければ欲は永遠に増え続け、モグラ叩きのようにそれを叩くことに囚われてしまう。
そもそもモグラ叩き自体、自分が作ったのだったという事に気づき、そっとそのハンマーを手放そう。
それは誰にでも欲ある話です。
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