短頭症・「発達障がい」当事者同士の対話(作家のI先生と)
頭蓋縫合早期癒合症(に類似する頭蓋形成)治療に向けてのアプローチに先立ち、取り分け、当事者(と診断は下されていないもののそう推測できる方同士)での情報・意見交換を出来る機会を積極的に作りたいと思っています。
取り分け、2019年末にトルコ・イスタンブルより帰国をしてから最も気になっていた日本の「著名人」当事者が作家のI先生です。(あの最近韓流ドラマになった某ファンタジー恋愛小説の作者。私も帰国後に、この作品を含む幾つか作品を読み、優しい世界観、また身体症状なども共通するところの多い登場人物たちに自分の身を重ね易く、ファンになりました。)
ご自身は、発達障がいとの診断は下されていないものの(実際に心理学者に相談をして、恐らく確実にASDだ、との見解は示されているそう。ただ、当時、既に作家として刊行していた小説がテレビドラマになっていたり、社会的に「成功」していらっしゃった方なので、そこで診断をする必要性も特にないと判断されたとのこと)、幼少期からの多弁・多動、また注意欠陥による仕事上のトラブルなどがあり、ずっと自覚をされていたそうなのですが、
寧ろ発達障がいの特性である
「細部への拘り」、立体や図面、ストーリーを脳内で想起する画像認識・デザイン能力、また虐げられていたり外界の脅威(大きな次元では自然災害や多発する交通事故、気候変動、シリアやウクライナにおける国家間・内の紛争・対立、より身近なレベルでは、コンビニ食などに含まれている添加物・化合物、エレベーターなどの密室、気圧・天候の変化、光の眩しさ、騒音etc)に晒されている他者、弱者への共感の能力を生かして作品を執筆されご活躍をされており、
大学での講演会や、発達障がいを持つ親御さん、教育関係者など向けのメディアインタビューなどでも、当事者としての情報発信(特に親密な他者や恋人たちと完全に対等・自立をして関係を築くのが難しく、共依存関係に陥り易い「発達障がい」の特性のある人たちに対して自身の奥様との生活を綴ったエッセイや、その小説などで提示されている、恋愛関係の在り方や結婚観において、この方が「発達界隈」にもたらしたものは大変、大きなものがあるでしょう)を積極的にされています。
去る3月31日、職場のPCラボからzoomにて、I先生と頭蓋形成と発達特性・身体形成の関係性について、また発達特性由来のクリエイティビティ、文学や映画、文化に対しての嗜好性などについて語り合いました。
お互いのプライベートや、個人が特定されかねない点に触れる内容についてはできる限りの言及を避けるとして、頭蓋形成と発達特性について、私個人としては初めて当事者同士で会い語り、分かったことについて以下纏めておきます。
・頭蓋形成として恐らくおでこの上に縫合線も確認できるため先生は、「頭蓋早期癒合症」に該当する可能性が高いか。短頭症の可能性もあり。
・頭囲が52cmで、未だに小学校時代の帽子もすっぽり入るほどに頭が小さく、かなり自覚していた部分もあるそう(自覚されていても当人も周囲も具体的に治療を考えるケースはやはり殆どなさそうです)
・極端に絶壁頭で、そのために「頭蓋健常者」(短頭症などの人に対し頭蓋形成が正常範囲な人たち。発達障がいが、従来みなされてきたように、生来の心理・精神医学的、または脳神経上の問題にあるのではなく実は「頭蓋形成異常」とそれによる一部の脳機能の阻害・制約に起因していると考えられる場合、その点こそが「健常者」と私たち「発達障がい」を分かつ要素であると判り易くするため、表記をこうしてみました。勿論造語です)と比べて後頭葉の発達が恐らくは小さく、咽頭の周囲の静脈がうっ血・停滞するなどして、以下のような症状に見舞われているのでは?
・呑気症(咽頭が圧迫され引っ込んだり、出たりを繰り返し空気を飲み込みやすいため、しゃっくり、ゲップ、おならが出やすいのでは。。。I先生のエッセイでも記述され、私も昔からよりによって重要な場面を前にして、しゃっくりやおならが出そうになり、苦労をしてきました・・・実にとるに足らない身体症状に思われるかもしれませんが、私の中で後頭葉の問題と合わせ頭蓋形成と発達特性の繋がりを把握するうえでかなり重要な症状と思えてなりません)
・副鼻腔炎
詳しい機序は、未だに仮設の域を出ないものですが、当事者のリョウタロウ氏もブログ内で(鼻炎ではありませんが)自身の後鼻漏について記述をされています→
(https://atama-psycho-linguistics.hatenablog.jp/entry/2020/05/17/012718
以下引用:慢性上咽頭炎が後鼻漏を引き起こしていることを疑いました。これでようやく後鼻漏の治る、という希望を胸に診断と治療ができる耳鼻咽喉科で治療を受けました。
(中略)上咽頭における静脈うっ血・脳脊髄液うっ滞による脳幹・視床・視床下部の循環障害説です。…上咽頭擦過療法により上咽頭の炎症が緩和され,また静脈路や脳脊髄液路のうっ滞が改善されることが,慢性上咽頭炎に関連する症状への治療的効果の理由と考えます。*)
・頭蓋が前後に圧迫されている感覚(私の場合は、どちらもありますが、左右の方が強いです)
→執筆や各種の作業時に、右腕で頭蓋を押し広げるような形にして対応をしていることを確認し合い、あぁ、同人種だな~という感慨、ねぎらいの情が生まれました・・・
・顔のパーツが下に集まりやすい
(短頭症や早期癒合症の場合には、頭蓋が上の方で早く閉じてしまっているため、当然といえば当然なのですが。。言われるまで、あまり思い当たらなった要素の一つです。身体機能の制約、辛い症状とは全く次元が違いますが、一重瞼の形成などにも影響するため、整容面でのコンプレックスを抱える発達障がい当事者も多くいる中で(朝日新書の「発達障がい当事者書籍(まさか発達障害だったなんて)」を執筆されたアーティストのさかもと未明さんなどがまず思い浮かびます。こちらも今後、実は、整容、顔のつくりの特徴も頭蓋形成の問題にそもそも原因があったのだ、という認識が広まることで、より当事者の心理的負担は減ることでしょうし、また治療を受ける必要性としても、医療従事者はこのことを抑えておくべきと切に感じます。)
身体形成、症状での関連性についてはここまでのパネルで。以降は、芸術・文化、仕事や生活面での共通点について対話で触れられたことについて紹介していきます。