(今日の一枚)朝妻舟:鏑木清方
朝妻舟:鏑木清方
朝妻舟
鏑木清方/1938年頃 57.1*72.3cm
水の流れに身を任せるが如く、己の体を舟とする女
朝妻舟は、日本舞踊「浅妻船」からも見い出せる題材であり、清方のこの画は、艶冶(えんや)な記号だろう。
それは、滋賀県琵琶湖北東岸の朝妻(米原市)と大津の間を行き来していた渡し舟であった。
その舟は、遊女を乗せている・・・
その仕草や表情からは、妖艶さと共に、「水の流れに身を任せるが如く、己の体を舟とする女」・・・
清方、60歳の作と言われる。
鏑木清方
鏑木清方(かぶらき きよかた、1878年(明治11年)- 1972年(昭和47年)/明治期から昭和期にかけての浮世絵師、日本画家、随筆家)
江戸の面影を色濃く残した東京に生まれた、生粋の明治東京人たる清方は、その生涯にわたり、江戸や東京にまつわる作品を多く残した。清方の作品は、いわゆる、美人画家というよりは、ほとんどが人物画であり、明治時代の東京の風俗を写した風俗画の視点がある。また、多くの戯作も残している。
人の生き方は、どうあぐねても、一元的には、行かない・・・ その刹那のシーンを清方は、切り取って、それを画業としている。
いいなと思ったら応援しよう!
応援いただきましたら、現代アート系の資料の購入や活動に使わせていただきます。