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ファブリス・デ・ノーラの油彩とWeb/ARのジョイント
ファブリス・デ・ノーラ(Fabrice de Nola、1964年 - )概念芸術/コンセプチュアル・アーティストだ。
油彩でのQRコードをにて、Webに接続された初の油絵を制作したことで著名だ。(2006)
そして、2012年以降、絵画とインスタレーションでAR(Augmented Reality, 拡張現実感)活用している。その作品は、イメージ化した人工物と自然との関わりが表現されているのだ。
略歴-Fabrice de Nola
1964年、メッシーナ(Messina/シチリア)で生まれた、イタリアのアーティスト。
1980年代半ば、ジュネーブ、カイロ、ローマで、舞台等の背景画家(scene-painter)等としても活躍している。その頃は、彼の平面作品をサポートする技術として複写機と写真を使用している。
1990年代半ばには、コンピューター環境が一般的になった時代だが、ファブリス・デ・ノーラの絵画制作の準備段階にコンピュータは欠かせないツールとなった。
1996-2000年、 「Il Ponte Contemporanea 」Gallery(ローマ)に展示。
2001年、イタリア文化省からの依頼で、ローマの講堂の作品を作成。以降、イタリア外務省に招待され、展示会-欧州議会(ブリュッセル)等々、多くの発表されている。
2006年、油彩でのQRコードをにて、Webに接続された世界初の油絵を制作した。(ミラノで展示)
2008年、第7回ローマ写真国際フェスティバル(ローマのスキップライフ)に参加、また、この2008年には、ローマで開催された第15回ローマ・クアドレンナーレ(Quadriennale di Roma/4年毎)に、広告インスタレーションで出展。
ファブリス・デ・ノーラの作品は、イタリア外務省のファルネジーナコレクション、ローマ現代アート美術館(MACRO-Museo di Arte contemporanea di Roma)、リソ現代美術館シチリアなどの、アートコレクションにも多く展示・収蔵されている。
Fug.インヴェルセ(Inverso/逆さま)」シリーズ他 (c)Fabrice de Nola
作品の代表的なものは「インヴェルセ」(Inverso/逆さま)や「ネウラル・プロ(Neural Pro/ニューラル・プロ)」、
また、QRコードを使用した作品群は、このコンセプトでの延長上で、ファブリス・デ・ノーラのアイデアをビジュアル化している。
「インヴェルセ(Inverso/逆さま)」シリーズでは、写真と絵画との曖昧な閾を、「ネウラル・プロ(ニューラル・プロ)」では、人間とヒューマン・マシン・インターフェース(human machine interface/HMI)の共生を表現している。
これらの事から、QRコードを使った作品(2006)では、伝統的な油絵をインタラクティブなコミュニケーションツールに進化させることに挑戦したと言うことだ、従来型のアートと情報処理(IT)周辺の関わりが、表象されている。
かんたんに言うと、ファブリス・デ・ノーラの作品は、常にイメージ化した人工物と自然との関わりが表現されているのだ。期待したい、現在形のアーティストだ。
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