作家ジョーダン・ウルフソンの謎めいた挑発
作家ジョーダン・ウルフソンの謎めいた挑発
ジョーダン・ウルフソン(Jordan Wolfson,1980- /アメリカのアーティスト)
その謎めいた、挑発的な作品は、人の暗い側面をリサーチしている。
その作品は、カウンターカルチャー的な面から、ビデオと映画、彫刻、インスタレーション、バーチャルリアリティを使用される。
現在形の文化における暴力、性差別、反ユダヤ主義、人種差別、それらのトピックを探求している。
Installation view
ジョーダン・ウルフソンのインスタレーションビュー、女性像、 2017年アムステルダム市立美術館
ジョーダン・ウルフソンのロボット彫刻 の女性像(2014)は明らかに女性ではないが、それでも。ウルフソンは、それに曲がりくねった身体に、わずかに衣装で覆った。
その露出した、工場のような金属の接合部も剥き出しになって、それが謎めいてくる。赤い唇、そして、流れるようなマリリン・モンローっぽい髪、そして、魔女の何かのような長くて引っ掛けられた緑色の鼻・・。
これらは、官能性のこの組み合わせは、フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco de Goya,1746-1828/画家)に通じる、暗くて心理学的なテーマかも知れない。
アートワーク(概要)-Jordan Wolfson
1980年、ニューヨーク市のユダヤの家庭に生まれる。
2003年、Rhode Island School of Designで彫刻を学ぶ。(BFA)
そのRISDでは、ウォルフソンはアメリカとヨーロッパで上映された映画とビデオの作品とコンピューター・アニメーションの制作を始めた。
その時点では、20thからの延長というより、PCのプロセッサや環境が整い、高速でモーショングラフィック処理(レンダリング)が可能な時代となった。
一般論だが、この時点で、グラファックデザイナー、モーションデザイナーの職域が並んだ、それは、プロセッサの高速処理も大きだろう。
そして、現在は、デジタル画像とジョイントした、アルミニウムと真鍮の彫刻、バーチャルリアリティ(VR:仮想現実)を使用した作品、最先端の技術を採用したアニマトロニクス(animatronics:SFXのジャンルで、生物を模したロボット)の彫刻にまで及ぶ。これらの作品は、多くの場合、技術の専門家と共同で制作される。
2004年、チューリッヒ市立美術館(Kunsthalle Zürich)で開催されたウォルフソンの最初の個展に続き、彼の作品はヨーロッパ、アジア、米国のギャラリーや美術館で広く展示される。
2009年、ウォルフソンはフリーズ財団からカルティエ賞。
2014年、ビデオ作品が第6回グラスゴー・インターナショナルの一部として展示される。
2020年、オーストラリア国立美術館(National Gallery of Australia)は、ウォルフソンの「Cube」(主人公と「体の彫刻」)を500万ドル(米$)近くで購入している。美術館の館長であるニック・ミツェビッチは、ジョーダン・ウルフソンを称賛する。この「キューブ」とは?
ウォルフソンによれば、観客と交流し、さまざまな活動を行うことができる。これには、「楽器のように自分の体を演奏する」、「性的暴行のシミュレーション」まで、含まれる・・
その暴力の残忍な描写、明白なミソジニー(misogyny/女性に対する嫌悪や蔑視)、覆い隠された形態の人種差別、ユダヤ人の歴史への言及と一緒に、しばしば意図的に挑発的な組み合わせで反ユダヤ主義のトロープを意図的にいじることを含むセンセーショナルな作品だろう。
(ただ、その展示は、作品の最終的な輸送が、危ういウィルスで、2021年まで延期された。)
「Real Violence」-議論を呼ぶ
ウォルフソンの3DVR(頭部装着し仮想現実感を得る3D映像効果)作品「Real Violence」は、2017年のホイットニー・ビエンナーレ(Whitney Biennial)で行われ、その描写されている行為とコンテンツのグラフィックの強力さにより、多くのメディアの注目を集めた。
Real Violenceは、視聴者自身が権限を持つ、リアルな体験として、バーチャルリアリティ(VR)の性質についての会話を誘発することを目的としていた。この作品は、2017年、ニューミュージアム(New Museum of Contemporary Art / in New York City )イベントで批判を受けている。
Real Violence (2017) by Jordan Wolfson
その「Real Violence」の議論は、芸術家の役割、そして、彼の芸術で、政治的声明を発表する際のウォルフソンの責任、および対処する時点で、対処されるべきである、その特権/権力階層の役割があるかどうかに関するものだった。
Jordan Wolfson - Female Figure - The Artist's Studio - MOCAtv
21stになって、アートの多様化、そして、その極のあり方、いわゆる表象の視点が重要になる・・・・
ただ、それは、メディアが変わっても、従来系なのかも分からないが・・・