ジョゼフ・フォッファーの異様な人物像（アウトサイダーアート）

ジョゼフ・フォッファーの描く、異様な人物像はなぜか？（アウトサイダーアート/アールブリュット）

ジョゼフ・フォッファー（Josef Hofer,1945- /オーストリア）
その絵画は、主には、室内外での空間だが、人物像も描いている。そして、その人物像は男性像に限られている。
その絵画を具体的に言うと、生き物に対して、レントゲン写真のようなアプローチもあるのだ。
それは、ジョゼフ・フォッファーの芸術は、従来のライフスタイルから取り除かれた人々に特有の見方を表現しているのだろう。
その作品は、本質的にジョゼフ・フォッファー自身の人生の観察とナレーションかも知れない。
彼のドローイングは一種の鏡のように見える、そこには、ジョゼフ・フォッファーと観る側の両方を反映しているのだ。

鉛筆、色鉛筆、敬語を用いて、さまざまな用紙などに描いた。
そして、その、ある意味「ギクシャクしたライン」は、良好な筆致だろう。
アメリカの写真集からの男性ヌードでの多くの習作も著名だ、それは、著しく、デフォルメしたポーズだ。

Josef Hofer

略歴-Josef Hofer
1945年、ドイツのバイエルン州ヴェークシャイト生まれ。
概ね40年間に学校に通う事はなく、兄と共に実家の農場で隔離された。
そこには、父の意図で、まず、ナチスから逃れるため、オーストラリア・オーバーエスターライヒ州の農場に移り住んだ。
そこには、兄弟の2人ともに、知的障害があり、聴覚と発音にも問題があり、ジョゼフ・フォッファーは、そのため無言であり、なおも、運動の障害もあった。
ジョゼフ・フォッファーは、なんと37歳になるまで社会的接触は、ほぼ、なかったのだ。
1982年、父の没後、母親と従姉妹姉妹の家に住み、孤立から抜け出したのだ。
その後、1985年からは、絵画が、唯一の表現手段だ。
デイ・クリニックで、ジョゼフ・フォッファーがいくつかの言葉を言い始めたので、この流れはホーファーにとって有益であることがわかり。やがて、ジョゼフ・フォッファーは、オーバーエスターライヒ州で、精神病治療施設に入院し、1992からは、療養ホームに住み、そのアトリエに通い、現在も描いている。

Josef Hofer

Elisabeth Telsnig （美術史家/キュレーター）は、ジョゼフ・フォッファーの絵を描くことへの情熱に気づき、彼の創造性を激励している。
その絵画は、ある意味エロティックであり、何事にも、打ちのめされていない形の優雅さがあると言われる。

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