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イヴ・クライン - IKBと本質を追うパフォーマンス

イヴ・クライン(Yves Klein, 1928- 1962 仏)
芸術家・抽象画家・パフォーマー。
その作品はモノクローム(モノトーン)の絵画の世界を展開した。それは、マチエール(質感)、筆致の有無での表現だ。
単色での作品は、展覧会を拒否されたことも当初はあった、それは、先駆者と言うもの誰でもそうだろう。
現在では、ネオダダの代表的な作品の1つとして、ポンピドゥに収蔵・展示されている。

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特質べきことを著名なところをランダムに記述すると
(1)楽曲「The Monotone-Silence Symphony」(1947-49)
この曲は、20分間の瞑想的な静けさの後、単一のコード進行でおよそ20分間の演奏という試み。
それは、クラインのテーマでもあったモノクロームの青い空から放たれる宇宙的なハーモニーを楽曲にしたといわれる。
The Monotone-Silence Symphony

(2)空虚-展(1958)
イリス・クレール画廊(パリ)において”空虚”展を開催した。*IKBで印刷された案内状や、画廊への途中にIKBで塗られた物が置かれた、会場までには青色が目印のように置かれたが、画廊の中はまさに何もない空虚な展示だ。

(註)*インターナショナル・クライン・ブルー(International Klein Blue, IKB)非物質的な色彩としての重要視から、顔料を開発特許を取得しいる。

(3)パフォーマンス・アート
空虚への跳躍(Saut dans le vide)-写真で残されている。
パフォーマンスは、復元性の問題から、媒体記録として残される。その視点は、可視のものを不可視化する、それを可視に戻す- クラインの芸術のシステムだといわれる。

人体測定シリーズ:パフォーマンス・アート(1960-)
それは、クラインが作曲した”モノトーン・シンフォニー”を指揮しオーケストラが演奏し、IKB(インターナショナル・クライン・ブルー)の顔料を体に塗ったヌードモデルを、キャンバスを動き回り、また、IKB顔料を吹き付ける。それは、人間の動的エネルギーの痕跡がキャンバスには残る。その発想は、広島原爆ドームに残る人の影だといわれる。

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(4)その流れは、ヌーヴォー・レアリスム(Nouveau Réalisme)といわれる。
その理念は、「大量生産による既製品や廃品との社会は、人間にとって新しい自然な環境でありそこに現実性を見出す」、それは、大量生産される既製品への批判的な視点だ。ただ、その手法や理論においてはネオダダとの関連づけされる。1962年にクラインが急死したことで、グループは徐々に終止符を打ったといわれる。このヌーヴォー・レアリスムは、アメリカのポップ・アートの流れに比較される。

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