写真家Garry Winogrand-ストリートから社会生活を覗く
ゲイリー・ウィノグランド(Garry Winogrand,1928-1984 US)
20世紀半ばのアメリカの生活とその社会問題の描写で著名だ。
1928年、ブロンクス(NY)出身のアメリカのドキュメンタリーを主にする、ストリートカメラマン。
1947年、空軍退役後、ニューヨーク市立大学、コロンビア大学等で絵画・写真を学んだ後、アレクセイ・ブロドビッチのアシスタントとして、フォトジャーナリズムの実践からスタンスを得る。
1952-1969年、フリーのフォトジャーナリスト・広告写真家として活動した。
そのコンテンツは、キューバ危機(1962)のインパクトから、ニューヨークでのストリート・ショットだった。
それは、ロバート・フランクの「The Americans」の影響を感じる写真だ。
そして、*広角レンズでの小型カメラ(35mm版)で、ニューヨークから、範囲が広がり、カリフォルニア、テキサスなど各地で、撮影している。
その表象は、正確にいうと、写真というメディアを使った社会問題を調査(リサーチ)とも言えるのかも知れない。
また、グッゲンハイム等からの基金も受けており、それらにより、生涯に4冊の写真集を出版した。
1966年、ジョージ・イーストマン・ハウス(Toward a Social Landscape)で、展示を行う-複数の写真家による。
1967年、MoMA(ニューヨーク近代美術館での「New Documents」展(ダイアン・アーバスと共に)も高い評価を得ている。
それ以降は、多くのミュージアムで、多数の収蔵・展示もされている。
1970年代以降は、複数の高等教育機関でフォトジャーナリズムの教鞭をとる。
「1960年代と70年代に、ニューヨークの彼の写真は、ストリート写真の方向性とスタイルを定義した」評論家のSean O'Hagan
残念なことは、メキシコで、まだ、56才での病による死だ、そして、ウィノグランドの晩年のコンテンツ(フィルム)は、しばらくは、現像もされずにそのままであった。それは、志(こころざし)半ばの最期だった。
ただ、その影響を受けた写真家・アーティスト・学問(社会学系等)に携わる人たちも多く、その世界の創始者の1人だろう。
昨日の写真家Martin Parrも・・・・
(c)Garry Winogrand
(註)*35mmフィルムカメラ(ライカ版)に、オートフォーカスのない時代に、例えば、28mm広角レンズを付けると、至近距離からピントがすべて合ってしまう、ただ、それ以上の超広角はその画角から、異世界のようになるため使用しない。その為には、ウィノグランドは、フレームを傾けて全景を納めている。その手法は、その後、70年代の報道カメラマンの常識となった。少なくとも日本業界での常識では、こうなる。NikonF+28mm+Film Tri-X(ISO-400)
Garry Winogrand: All Things Are Photographable - Official Trailer