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#3)トニー・クラッグの学際的な視点、それはランド・アートまで

「最も面白い素材は、人間の心。外部のものに変化を加えると、自身の態度や考え方にも変化が起こる」Tony Cragg
トニー・クラッグ(Tony Cragg, 1949- /UK)
コンセプチュアル・アーティスト、その概念芸術の範囲は、彫刻家から、ランド・アートまで幅広い。
プラスチック、ガラス、グラスファイバー、ブロンズのような従来にない素材を集めて床や壁に展示から、ランド・アートまで実に多彩だ。
それは、トニー・クラッグは人間と物質、または自然の間にある、曖昧さの不即不離(ふそくふり/つかず離れず)の関係を表象している。

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(c)Tony Cragg

今日で3回目になるが、トニー・クラッグの理論展開は、部分的に解釈すると難解だ。わかりやすく、現状から見てみると・・・・
現在は、軍の元修理工場を改造したアトリエで、15-20人程度のアシスタントにて、鉄やブロンズ、発泡スチロール等の素材を使い、生命の有機的な形をコンピューターで解析、立体化した作品等も制作している。
「最も面白い素材は、人間の心。外部のものに変化を加えると、自身の態度や考え方にも変化が起こる。この35年間で素材をいろいろ変えてきたが、素材も私を大きく変えてくれた」-Tony Cragg
その従来の創作活動に加えて、「彫刻公園-2008」、ヴッパータールの広大な林にランド・アートが構成されている、人間と物質、または自然の間にある、曖昧さの不即不離(ふそくふり/つかず離れず)の関係を提示しているのだろう・・・

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Tony Cragg's utilitarian materials

(追記)トニー・クラッグ氏は、学際(知の共有)がベースにあるのだろう、それは、当初は技術者として科学と材料、そして、常に、概念芸術を視点(極)に入れており、人間と物質、または自然の間にある、曖昧さの不即不離(つかず離れず)の関係を20世紀形の専門域を超えて、形状化している現在形のアーティストだろう。テクストの芸術、また、身体芸術、多様な方法論が現代アートにはあるが、トニー・クラッグの学際的な視点も、重要な現在の環境問題、そして、国際的に蔓延してしまった危ういウィルスにも、今も問いかけているようだ・・・


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