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もの派-関根伸夫の視点

もの派 - 関根伸夫の視点

関根伸夫(せきね のぶお、1942 - 2019/日本の現代美術家・彫刻家・インスタレーション)
1968-1970年、「もの派」の作品を多く制作した。
李禹煥や菅木志雄と共に「もの派」を代表する作家。
関根伸夫は「もの派」及び自身の作品の根底に横たわるものとして「アニミズム」(animism/生物・無機物を問わず、すべてに魂が宿る)という要素について言及しているところが、他者との異なりだろう。

関根伸夫 「位相 一 大地」 (1968年

位相―大地

その作品「位相―大地」は、革命的なインスタレーション作品として、世界のアートシーンに衝撃を与え続けている作品だ。

略歴とアートワーク-関根伸夫

1942年埼玉県生まれ。
1968年に多摩美術大学大学院油絵研究科を卒業。斎藤義重(1904-2001/多摩美-絵画と彫刻の垣根を超えた前衛芸術)研究室に所属。


位相-大地

「位相-大地」1968年
大地、セメント
円柱: 220 x 270 (直径) cm, 穴: 220 x 270 (直径) cm
Courtesy of the artist

位相―大地

1968年、「位相―大地」は、かんたんに言うと、円柱の土をくり貫いたマウンドを、神戸の須磨離宮公園のグラウンドに、土の凹凸として示したインスタレーション作品である。
その昭和43年(1968)は、日本では明治100年に当たり、パリでは五月革命が起こった年である。

「位相—大地」から円柱形の型を外した瞬間

「位相—大地」から円柱形の型を外した瞬間

具体的には:現代日本野外彫刻展で深さ2.7メートル、直径2.2メートルに掘られた穴と、まったく同じ高さ、直径でできた土の円柱で構成された「位相―大地」を発表。
その「位相―大地」は「もの派」の出発点とされる。
また、この「位相―大地」は2008年に行われた「多摩川アートラインプロジェクト」の一環として再制作されている。


位相―スポンジ

1968年、白い円筒状のスポンジの上に鉄板を乗せた「位相―スポンジ」を制作。

位相-スポンジ-1968-鉄板、スポンジ

空相

1970年、荒川修作(あらかわ しゅうさく、1936 - 2010/日本の美術家)と共に、ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表に選出され、ステンレスの柱に自然石を置く「空相」を発表。

空相03のコピー

その後、ヨーロッパに滞在する。

水の神殿

1973年、環境美術研究所を設立する。東京都庁舎シティーホール前の「水の神殿」他

水の神殿

海外での評価

2012年、「太陽へのレクイエム:もの派の美術」(Blum & Poe、ロサンゼルス)
2012年、「Tokyo 1955-1970: A New Avant-Garde」(ニューヨーク近代美術館-MoMA)
海外での評価も大きい。
多摩美術大学客員教授、そして、埼玉県と米カリフォルニア州に在住していた。
2019年、ロサンゼルス郊外の病院で亡くなった、76歳だった。

関根伸夫の高等教育現場(多摩美)には、その影響を与えられた前衛芸術の師(斎藤義重先生)がいらしたと言っても、そこには「もの派」の先駆者の苦労を感じる。
当時の多摩美は、上野毛校舎だったのだろう・・・

#関根伸夫 #現代アート #もの派 #革命的なインスタレーション #アニミズム

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