#2)女性画家Cecily Brownから美術史の一端(ヌード像)を考える
女性画家セシリー・ブラウン (Cecily Brown.1969- UK)の制作の流れから、従来型の美術史の裸体像を考える。
従来、いわゆる美術史で語られる、女性(男性像も含めても)のヌード像は、神話、宗教、また、歴史上の事象を表象された、そして、それが芸術なのだと認識されてきた。少なくとも、ファインアート(純粋芸術)のエリアでは、そうだった。
ただ、ここで、簡単にまとめる訳ではないが、セシリー・ブラウン絵画のエロス部分は、ファインアートでの解釈とは、異なるようだ。
それは、「Cecily Brown-さわやなエロスの世界」でも記述したが、*アプロプリエーション・アートの時代にセシリー・ブラウンは、YBA(Young British Artist)として、ニューヨークにやって来た。
そして、その当初のイメージは、ポルノグラフィーや、雑誌、広告、また、メディア(映画、TV、VCR)、、、解りやすくは、例えば、ジミヘンドリックのCDジャケットから、その素材を吸収し、展開したという表象もある。
Fig.Name that Tune (2012), (c)Cecily Brown
ただ、ここでも、セシリー・ブラウンは、従来型の美術史に出てくるロジック(ルネサンスから19世紀半ば)も展開しているのだ。
セシリー・ブラウンの絵画を、ここで多くは語り尽くせない、それは、人は、時間軸と共にパラダイムシフトするからだ。そして、そのことを言葉ではなく、セシリー・ブラウンは、コンテンツのタイムライン(時系列)で語っている。その受け取り方は、様々あり、そのイメージにあるポルノグラフィーにこだわる事でもないだろう・・・
そして、これからが、楽しみな画家だ。
いずれにしても、美術史は後から語られる・・・
(c)Cecily Brown
(註)*アプロプリエーション・アート(appropriation art):美術史・メディア・いわゆる消費物など、既成の表象からイメージを取り出し、新しい文脈に組み入れるアート手法。ポップアートでも良いが範囲が広すぎるので、例えば、解りやすくは、映画からのシンディ・シャーマンの自らのスチル写真(後半期)をイメージしてどうだろう。
Cecily Brown Interview: Totally Unaware
(追記)アプローチは異なるが、いわゆるYBA(Young British Artist)として、トレイシー・エミン、サラ・ルーカスを語らない訳にもいかないですね・・
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