エミリー・ジャシールの価値観を考える。
エミリー・ジャシール(Emily Jacir)の価値観を考える。
このようなアートの文脈を、ショートスパンの講座で、Emily Jacirの世界を理解すると言うのは困難だろう。
アーティスト、いや、人々の生き様は、かんたんなロジックで解説出来るものではないからだ・・・
エミリー・ジャシール(Emily Jacir,1970 - /パレスチナのアーティスト-Contemporary art / 映画監督)
フィルム、写真、インスタレーション、パフォーマンス、ビデオ、ライティング、サウンドなど、さまざまなメディアで表象している。敷居線を引く訳ではないが、いわゆる、ビジュアルアーティストとなるのだろう。
Emily Jacir Palestinian Artist 2020
そのエミリー・ジャシールの視点は
パレスチナの占領の文脈の中で、彼女の作品のフレームワーク(課題解決の思考の流れのパターン可)として、コンセプトアートと社会的介入のために、芸術的媒体(チャネル)を使う。
そして、エミリー・ジャシールは、移動、亡命、抵抗のテーマに焦点を当てている。
by Emily Jacir
略歴とアートワークから、エミリー・ジャシールを認識する。
1970年、ベツレヘム(パレスチナ)で生まれる。そして、幼少期はサウジアラビアで過ごす、イタリアのローマの高校に通い、 ダラス大学、芸術のメンフィス大学やアート学位を取得。
そして、現在はアメリカの市民権を得ている。今は、ラマッラー(パレスチナ)とニューヨークの双方で、作品制作を行う。
1994年以来、南北アメリカ、ヨーロッパ、中東で幅広く展示を行っており、ニューヨーク、ロサンゼルス、ラマッラー(Rām Allāh/パレスチナ国の事実上の首都)、ベイルート、ロンドン、リンツ(オーストリア北部の都市)などで個展を開催する。
2002年、ラマッラーで最初に開催された、国際ビデオフェスティバルを設立し、キュレーションをする。
2006年、国際芸術アカデミーが開館して以来、教授(常勤)。
2007年、Prince Claus Award(プリンスクラウス基金-オランダ)を受賞し、また、ヴェネツィア・ビエンナーレでは、「Material for a Film」でGolden Lion Award(金獅子賞)を受賞。
(註)Prince Claus Award:文化と開発のテーマへの進歩的かつ現代的なアプローチを反映した個人や組織を称える。2008年、ソロモンR.グッゲンハイム財団は、ヒューゴ・ボス賞を与えている。
2000年-以降は、パレスチナのビルゼイト大学(Birzeit University)教授などで、パレスチナ問題の教育に関与している。そして、国際芸術アカデミーパレスチナ(アラブ世界での芸術に関わる、ほぼ、唯一の機関)のメンバーだ。
それからは、より多くの審査員(art,film..)として活動を重ねている。
エミリー・ジャシールを決定付けたアートワークの代表的なものを、まずは2点挙げると・・
・2007年、第52回ヴェネチア・ビエンナーレに出展した「Material for a Film」は金獅子賞。
・2008年ヒューゴ・ボス賞を受賞
この後も、Emily Jacirの作品をいくつか、追ってみたいと存じております・・
どうぞ、お時間の許す折に・・
以下は、以前の書いた、一般論的なコラムです、ここから、展開して参ります。