見出し画像

#2)Mark Wallingerのシニカルな映像と周辺

マーク・ウォリンジャー(Mark Wallinger,1959- UK)
マーク・ウォリンジャーの視点は、伝統的なイギリスならではの階級制度、そして、宗教感に対して、ユーモアでシニカル(皮肉)で対峙(たいじ)したヴィデオだ。

(1)Video-天使(Angel)
天使(Angel):逆再生されるビデオ、そこには、キングジェームズ聖書のジョンの福音書を暗唱しながら、ダウンエスカレーターを逆に歩く姿がある・・・
Mark Wallingberg "Angel"


(2)Video-THRESHOLD TO THE KINGDOM
ヴィデオ「王国の敷居」とは:空港への国際到着時に自動二重ドアを通過する人のスローモーションとローマカトリック司祭の「ミゼレーレ(Miserere)」(グレゴリオ・アレグリが旧約聖書詩篇第51篇をもとに作曲した合唱曲)のサウンドトラック。
それは、イギリスに到着するだけでなく、天国にも到着し、警備員がセントピーター(ローマ最初の司教)の役を演じるのかも知れない。

THRESHOLD TO THE KINGDOM | VIDEO | 2000 -Mark Wallinger

例として、2点の映像作品を記述したが、Mark Wallingerには、立体(彫刻)の他に、平面、インスタレーションにも多様な表象がある、それらにも、ウォリンジャーの理念(価値観)を感じられる。

画像1

画像2

   (c)Mark Wallinger


そして、繰り返すが、ウォリンジャーのヴィデオ作品の中には、宗教観や政治への理念もあるが、それには、観る人の多様な解釈を求めている、また、それをも含めての表象だろう。


いいなと思ったら応援しよう!

artoday - chiaki
応援いただきましたら、現代アート系の資料の購入や活動に使わせていただきます。

この記事が参加している募集