EVのCO2削減効果が異様に低い件
EVのCO2換算の温暖化ガス削減効果
ポール・ホーケン編著 江守、東出訳「ドローダウン地球温暖化を逆転させる100の方法」山と溪谷社 は、地球温暖化に対する100の解決策をリストアップ。CO2換算の削減量順に1位から100位までに解決策を順位づけしたものです。
70人の科学者(半数近くが博士号、40%が女性)がリストを作成。作成したリストを120人の外部専門家(地質学者、エンジニア、農学者、ジャーナリスト、気候学者など)が徹底した評価・検証を行っています。
人工光合成や核融合発電のように、現在実用化されていないものはランキングには含まれません。中には2050年までに実用化される新技術もあるでしょう。
1位から10位まで
単位GTはギガトン(1ギガトンは10億トン)で2050年までに削減できる温暖化ガスの量をCO2換算したものです。温暖化ガスにはフロンやメタンなどもあるので換算しています。ちなみに2023年の全世界のCO2排出量(予測)は36.8GTです。2050年までのCO2の削減量の総計(1位~100位までの総計)は1051GT。2050年の全世界のCO2排出量はマイナス0.6~マイナス1.0GTとなる想定です。1位から10位までのリストを下に引用します。EVは出てきません。
冷媒排出対策 90GT
陸上風力発電 85GT
食糧廃棄の削減 71GT
植物性食品を中心にした食生活 66GT
熱帯林の再生 61GT
女児の教育機会 60GT
家族計画 60GT
ソーラーファーム 37GT
林間放牧 32GT
屋上ソーラー 25GT
電気自動車EVは?
26位、11GTです。しょぼい。より上位の21位には調理コンロの改良の16GTがあります。自動車を改良するよりも調理コンロを改良する方が効果が大きいのです。
なぜEVシフトの削減効果は低いのか
GPT-4に聞いてみました。
EVの製造過程では、バッテリーの生産に多大なエネルギーを要し、これが新たな環境負荷となる場合があります。
EVを動かす電力が化石燃料によって生成されている場合、間接的に温室効果ガスを排出していることになり、その環境への貢献度は低下
EV化だけに注目すると公共交通機関の利用促進や都市の歩行者・自転車友好的な再設計など、他の持続可能な交通手段への投資がおろそかになる
あたりが原因のようです。
EV開発に携わる科学者、技術者の1/100を配置換えして、EVシフトための資金の1/10を投入して、CO2を排出しない安価な調理コンロを開発・製造することはできないのでしょうか?
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