高野真(齋藤孝信 )

前世紀prologで一財産。機械翻訳、文字認識ソフトで国内トップシェア。 2000年~…

高野真(齋藤孝信 )

前世紀prologで一財産。機械翻訳、文字認識ソフトで国内トップシェア。 2000年~地図の電子化。2010年~ロボットの会話エンジン。2020年より生成AI。 ジグソーパズルや数独もプログラムで解く。愛読書は電子図鑑200冊とブルーバックス。 黒柴と女子大生の親。愛妻家。

最近の記事

8月17日の原爆投下

 日本被団協がノーベル平和賞を受賞いたしました。原爆に関連しての投稿です。日本が無条件降伏しなかったら、8月17日以降の最初の晴天の日に三発目の原爆が投下される可能性が高かったようです。  投下場所は目標選定委員会が開かれる前なので不明ですが、陸軍の大勢は京都への投下、陸軍長官のヘンリー・スティムソンだけが京都への投下に反対していました。  一発目、二発目も最優先目標は京都でしたが、いずれもスティムソンの反対によって広島と長崎が代わりになったようです。  本稿は吉田守男「原爆

    • 一秒間に赤血球は300万個生まれ変わっている

       最初はオートファジー研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典博士の講演で聴きました。一応確認してみましょう。 赤血球に関する計算  人間の赤血球の数は、1立方ミリメートルあたり約500万個です。1ccあたりだとその千倍で約50億個となります。人間の血液は、体重70kgの人で5600ccくらい。つまり赤血球の数は約28兆個となります。赤血球は一日あたり1/120が入れ替わっているそうです。つまり、一日あたり約2333億個が入れ替わっているので、1秒あたりにすると約2

      • アルツハイマー型認知症研究の失敗と100年前からの警告

         カール・ヘラップ (著), 梶山あゆみ (翻訳) 「アルツハイマー病研究、失敗の構造」(みすず書房)では、次のような主張がなされています。  「アルツハイマー型認知症研究は、その原因をアミロイドプラークという単一のものに限定するという過度に単純化した説に囚われて他の代替モデル(多様性)を全て押しつぶしてきた。そのため袋小路に入り込んで10年~15年の時間を無駄にした」  現状(2024年)では、レカネマブやドナネマブというアルツハイマー型認知症の進行を30%程度遅らせる薬が

        • 笑って泣ける小説

           世の中、泣ける本(小説・エッセイ・漫画)は枚挙にいとまがありません。「泣ける」に比べると少ないと思いますが、笑える本もたくさん挙げることができます。ところが両者のハイブリッドである笑って泣ける本は稀少です。  私が出会った、数少ない笑って泣ける小説のうちのひとつ浅田次郎の「プリズンホテル」(集英社文庫)を紹介したいと思います。笑いのツボや泣けるツボは人によって違うもの。以下に挙げる私の笑いと泣きのツボを参考にしてください。 笑いのツボ  笑える小説は筒井康隆の「エンガッ

        8月17日の原爆投下

          多体問題(三体問題)と生成AI

          生成AIは多体問題(三体問題)の先へ多体問題(三体問題を含む)と言ってもタンパク質の構造予測の話です。基本的には天体の多体問題と一緒です。タンパク質は数十個から千を超えるアミノ酸から構成されています。アミノ酸の種類と順序によって様々な三次元形状を取ります。アミノ酸配列から三次元形状を予測することが「タンパク質の構造予測」。新薬の開発などに役立つ重要な情報源です。  タンパク質の構造予測では天体同士の引力の代わりに原子間力や分子間力などが働きます。タンパク質の全原子に加えて付近

          多体問題(三体問題)と生成AI

          こどものことば

          子どもが幼児の頃に使っていた言葉の記録娘の幼児言葉の記録(一部)です。語彙爆発(1歳半~2歳くらいで爆発的に語彙が増える時期)後の記録なので大まかです。 語彙爆発期 正しい言葉    幼児言葉 たまご      たがも テレビ      てびり ごはん      くーかん おなかすいた   (お)すなすいた キティちゃん   ティティちゃ スパゲッティ   スカベッキィ 扇風機      しんしぴ 二個       ふたっこ だっこ      だくー せまい      

          AIとバトルして勝つ話

          AIとバトルして勝つ昔からあるテーマですね。50年以上前の「2001年宇宙の旅」からターミネーターシリーズまで数多くの小説・映画があります。心に残っているバトルとして、山本弘「プロジェクトぴあの」(PHP研究所、ハヤカワ文庫JA)の「ぴあのVSメカぴあの」の章を挙げたいと思います。  主人公は結城ぴあの。「科学の歌姫」で「最後のアイドル」、そして「人類の恩人」であり「世界の変革者」という二つ名を四つ持つ少女です。天才科学者で開発費をかせぐためにアイドルをやっています。  何の

          AIとバトルして勝つ話

          水着モデルとカメラマン、原爆とタップダンス

          数学家ビートたけし 「違う道を選ぶなら数学家になりたかった」 これはビートたけしの言葉です。彼はバリバリの理系で明治大学工学部中退で漫才の道に進んでいます。高校でも数学だけは東大に進んだ生徒よりもできていたそうです。今回はたけしと数学の一手法の交錯について書きました。  フジテレビの深夜枠で2007年から2013年にかけて「たけしのコマ大数学科」という番組がありました。高校レベルの数学問題を、マス北野(ビートたけし)チーム、現役東大生チーム、コマ大数学研究会(たけし軍団)チ

          水着モデルとカメラマン、原爆とタップダンス

          不可能を可能に

          不可能と言われていることでも可能だという前提で 有史以来誰も開発することのできなかった絶対に緩まないネジを開発したネジロウの道脇社長。かなり前のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演したのを覚えていましたが、先日(2024年3月)のテレ東「カンブリア宮殿」に出演しているのを拝見しました。  番組の中で道脇社長は「誰もが不可能と思っているということでも、可能であるという前提から出発して、どのようにして実現するかを考える」という主旨の発言をしていました。 可能か不可能か

          EVのCO2削減効果が異様に低い件

          EVのCO2換算の温暖化ガス削減効果ポール・ホーケン編著 江守、東出訳「ドローダウン地球温暖化を逆転させる100の方法」山と溪谷社 は、地球温暖化に対する100の解決策をリストアップ。CO2換算の削減量順に1位から100位までに解決策を順位づけしたものです。  70人の科学者(半数近くが博士号、40%が女性)がリストを作成。作成したリストを120人の外部専門家(地質学者、エンジニア、農学者、ジャーナリスト、気候学者など)が徹底した評価・検証を行っています。  人工光合成や核融

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          大学4年でホテルに缶詰になった件

          はじめての仕事はじめての仕事らしい仕事(数ヶ月にわたる継続した仕事)は大学4年の時のプログラム開発でした。旺文社の「英単語ターゲット1900」という英単語集の発売に合わせて、パソコン(PC9800シリーズなど)で動作するドリルを開発するというプロジェクトでした。  開発チームは3人で、ベテラン2人を補助する新人プログラマのポジションでした。当時はパソコンのアプリケーションプログラムを組めるプログラマが稀少でした。打ち合わせも兼ねて旺文社の近くの高そうな店で何度かごちそうになっ

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          シロクマはペンギンを食べていた

          シロクマはペンギンを食べていた「シロクマはペンギンを食べますか」というクイズがある。「シロクマは北極、ペンギンは南極あるいは南半球に生息しているのでシロクマはペンギンを食べません」が正解です。 ところがシロクマはペンギンのコロニーを襲って食べていたのです。 「ペンギン」は一度絶滅した 最初ペンギンと呼ばれていた鳥はロシアからスペインに至る大西洋に生息していたオオウミガラスを指していました。見た目はペンギンとそっくりですが、現代のペンギンとは近縁種ではなくウミガラスの仲間で

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          「絵」で考える人々

          ビジュアル・シンカー(テキストではなく絵で考える人々)自分がビジュアル・シンカーだということが判明しました。 テンプル・グランディン「ビジュアル・シンカーの脳」NHK出版 では、テキスト(文章、記号)で考えず、絵で考える人がいるという研究の数々を紹介しています。  本文中にビジュアル・シンカーかどうかを調べるための「視覚空間型思考判定テスト」18問があり、試してみたところ18問中15問があてはまる自分が強くビジュアル・シンカー寄りであることを初めて知りました。 自己紹介(

          「絵」で考える人々