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拝啓ビョーク様。

あなたと出会ったのは、高校生のころ。
日本最南端の田舎高校生が、なけなしのお小遣いで買ったアルバムが、ビョーク様のデビューアルバムでした。

先日記載したクランベリーズ同様に、「ファッション通信」で流れていたのが、ビョークの「Venus as a Boy」。

やられたなーーー。ほんと。

で、ジャケット写真がまた素晴らしすぎて!!!

20年経った今でも大好きだ!!

当時、学ランの下に、この写真がプリントされたTシャツを着てたくらいですから!(笑)。

実験的なPVから、この歌唱力と、唯一無二の表現力。

どんどん、新しいジャンルを開拓していく姿は、もう芸術家の塊ではないだろうか。

そして、生涯忘れられない衝撃的(傷?)を受けたのが、ビョーク主演映画「ダンサーインザダーク」。

映画館を出て吐きそうになったのは、この時くらいか?
あまりにその美しさと切なさと、残酷すぎるリアリティに衝撃を受けて・・。

いや、カメラ酔いだったのか?汗。

もう、ビョーク様がすごすぎる。

カンヌ・ベネチア映画祭受賞作を片っ端から観ていた学生時代。
ラース・フォン・トリアー監督作品は「奇跡の海」から知っていたが、もう、このエグさが・・素敵すぎる・・。相当、学生時代に病んでたんだろう・・。

後々の作品はあまりにぶっ飛びすぎてついていけなくなったが、このあたりの作品には、残酷ながらも、「人生における、世界のどこかの確かな真実」を、まだ社会人でもないモラトリアムの僕ですら、実感できたのだ。

で、ビョーク様。
もはや、伝説の域に達した神になられましたが、ビョーク様の表現は、まだデビュー前?直後?から存分に表現されていました。当時は誰にも理解されなかったようですが。

天才から学ぶことがあるとしたら、「最初からやりたいことが変わらない人間が天才なんだ」ってこと。
それは、ビョーク様個人の域を超えた、人間の持つ根本的なパワーというものだろうか。
想像力の根源、というべきか。

横尾忠則さんもそれを「魂の原郷」と言われてたな。

各個人に出来うることがあるとすれば、その「原郷」までたどり着こうと、もがくこと。

最初から、わかっていたはずなんだ、人間は。
おぎゃあ!と生まれた時には、「自分が何をやるべきか。どうやって原郷に達するのか」を知っていたはずなんだ。

それでも、そんなことすっかり忘れて、ただ生きていくために、人と比べ、社会の評価を気にして、家族を養っていくうちに、足腰が立たなくなる・・。
(僕がその手前だ)。

ビョークTシャツを忍ばしていた高校時代に、美術部に入った。絵を描くことは小さい頃から好きだったが、その頃の僕にしてみれば、まさか本業になるとは、夢にも思わなかった。

家系を継いで「神主」になるか、先生になるか、スナフキンのように旅人にでもなるか・・。

しかし、わかっていたんだな、きっと。絵を描き続けることを最初から。

ビョーク様が世界に伝えたこと。「自分の原郷を、純度100%で表現している」というとてつもない強さ。
その余波を、2022年。改めて魂に受けて。

今日も、絵を一枚完成させました。
ありがとう、ビョーク様。

おわり。

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画家・ペーの日記
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