今を手放し続ける。
彼は階段を登っていた。1段、2段と、一歩ずつ、足を上げて登った。どうやら、自分の求めるものは49段目にあるらしいと知った。
彼はようやく49段目に立った。最後は、非常に苦労した。だから49段目に立った時、彼はこれまでの苦労が実り、感動した。「俺はやりきった」と、深い深い満足感を覚えた。
しかし、彼は49段目にいるわけにいかなくなった。なぜなら。もっと上の88段目にこそ、彼の求めるものがあったと知ったからだ。しかし、「この苦労と思い出の詰まった49段は、失いたくない」と思った。
彼は49段に右足を乗せたまま、50段目に左足を乗せた。しかし、49段目から、右足を話さない限り、前には進めない。しかし、彼は49段目を、失いたくなかった。
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