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完全オフグリットのエコハウスを見た!
完全オフグリット、つまり公共の電気や水道のつながりがなく、排水や下水も独立したエコハウスを見てきました。
太陽力を有効に使い、世界になにが起きようと、エネルギーと水があり、安全、快適に住める。オーナーはチーズ作りの巨匠である吉田全作さん。酪農だけでなく、本格的パン釜で美味しいパンも自作します。有機で葡萄棚までつくりワインを作ることまで目論んでいるのです。
建築家の中村好文さんとチーズ作りの巨匠、吉田全作さんが、がっつり手を組んで作り上げた、自然と共に生きる、楽しく気持ちよく暮らせる、素敵なエコハウスを見学してみましょう。
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線と管をつながない「好文×全作の小屋づくり」講演を聞く
建築家の中村好文さんから、新本の講演が池袋の本屋さんでありますとの連絡がありました。さっそく夫婦でいくことにしました。中村好文さんがチーズづくりの巨匠である吉田全作さんとがっつりタッグを組んで作り上げたエコハウス紹介の新本の講演でした。私自身が食とエネルギー自立型のエコハウスを実現したいと考えているので、渡りに船です。
中村好文さんが以前作られた実験型エコハウスであるLEMM HUTの進化版です。
自然力だけで暮らす小さな小屋の実験から、今回の排水から下水まで自然循環の中に暮らしをおくパーマカルチャーデザイナーの四井真治さんの協力も得て、エコハウスをどうやって作れたかの話でした。中村さんと吉田さんの掛け合いでの講演で、具体的な方法や実験の繰り返しから出来たエコハウスであることがわかりました。これは実際に見てみなければと思い、講演の後、吉田全作さんに直接見学をお願いして快諾を得ました。
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岡山県にある吉田牧場を訪ね、今回の建築を見せてもらいました。今回は建築そのものの魅力もそうですが、エコハウスとしての機能的な仕組みが実際にどうなっているのかを見たいと思いました。
中村好文さんの美意識と吉田全作さんの何でもつくるの快作
建物の開口部は、全て引き込み式です。外気温と内気温があまりない季節には、全開放して丘に吹き抜ける風を受けながら、景色を楽しめます。建物は極小住宅の名作である増沢洵氏の自邸「吹き抜けのある最小住宅」(1952)のように小さいのですが、室内は吹き抜け構造なので、上下の連続性があり、それぞれの開口部の絶妙さも相まって狭さは感じません。丘の最上部360度景色が良いところにあり、自然を取り込めるので最高に気持ちがよいのです。
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エコを超えた、極楽風呂。
お風呂のお湯は、屋根上にある太陽熱温水器のお湯を使用します。普通によくある太陽熱利用の温水器との組み合わせですが、なんとも贅沢で美しい風呂だなあと思いました。これは気持ちがよさそう。
卵型の職人さんの粋をつくしたヒノキのお風呂。ばっちり山並みに沈む夕陽が拝める。なんとも贅沢なお風呂だなあ!
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パーマカルチャー的生活は、排水も自然循環
台所の排水は、縞ミミズがまずは分解浄化、そして植物や微生物が水質を浄化するバイオジオフィルターを仕掛けた土壌に流され、クレソンや空芯菜が育つ。そして鯉が住む池に。
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日本のメーカーにも発売してもらいたい循環型エコトイレ
トイレはカナダ製のバキューム式水洗トイレで、用を済ませたら飛行機のように吸引、外の小屋まで吸引され、換気扇で水分が飛ばされ、堆肥となる。自然循環の中に全てが使われ無駄がないのです。
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新幹線には日本製のウオッシュレット付きバキュームトイレがついています。技術はあるのですから、ぜひ日本メーカにもこのような自然循環型ウオッシュレットトイレを一般家庭向けにも発売して欲しいと思います。
カナダ製の堆肥ボックスは手動でかき混ぜます。日本メーカーの優秀な技術を使って、生ごみも入れられ自動で堆肥が作れ、畑に混ぜられ、さらにメタンガスも作れ、エネルギーとしても使え、AIでバイオ管理して効率を上げられ、かつコンパクトな先端的なモノが出来ないでしょうか。
未来に向けた、夢のウオシュレット付きエコ商品です。将来的な潜在需要は大きいと思います。なによりこれからの時代に向けた、持続可能製品として世界最先端のウオシュレット付き循環型エコトイレを発売することは、新たな未来への挑戦として世界へ貢献でき、ブランドイメージの向上になるはずです。
世界一美しく、そしてエコな循環型トイレを作る。そのためには、日本の技術力とデザインを合わせて、開発したい。日本のメーカーのみなさま一緒に作りませんか?
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からだに良い雨水利用
水は丘の上で井戸はできない土地。そこで全て雨水利用となります。公共の水も元々は雨水を浄化したもの。理屈は同じですが、高性能な濾過器を使えば、消毒剤が不要な軟水のカラダによく安全な水が得られるそうです。この濾過器は電気は使わず水道管の水圧だけで動き、逆流レバーで高性能フィルターを洗浄できる優れものです。(株)十字屋のTORAY TC-12Jという製品です。
雨水を地下2トン、地下のタンクに貯めポンプで高性能濾過器に送り浄化して利用します。屋根にある太陽熱温水器にも上げ、お湯としても使います。お風呂に浸かってもとても気持ちが良いそうです。
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太陽光パネルで電気を作り、蓄電器に貯めてつかう
電気は屋根に乗せた曇り日にも強いドイツ製Qセルズの太陽光パネルを20枚(4.8KW)と蓄電器を組み合わせで使用します。最初イタリア製の小型風車も実験してみたけれど、性能が悪く併用は諦めたそうです。現在は太陽光パネルで全て賄っています。蓄電器は48Vフォークリフト用の鉛電池で、欧米製のインバーターをオンラインで探して、車用に200V、家用に100Vの2台を使用しています。
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極上のコーヒをいただいて
吉田さんが炒った豆から挽いたコーヒをいただいた。
水も沸かすのもオフグリットシステムからのものですが、いままで飲んだことのないほどの美味しさ。コーヒー豆の良さや淹れ方のうまさもあると思いますが、エコを超えた美味しさでした。豊かなエコってこういうことを言うんだね!
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夢を携えて
そんなわけで、今回はたっぷりとエコシステムを堪能させていただきました。豊かなエコは確かに存在しました。それには絶え間ない工夫と創造力がいります。でも諦めないで挑戦する心があれば、必ずできることがわかりました。
富津エコプロジェクト、電気に関しては線をつながない完全オフグリットのソーラーパネルと蓄電池の自家発電となります。トイレも日本メーカのみなさんの協力が得られれば、是非とも菅をつながないシステムを使いたいです。
今回、線と管をつながないエコハウスを見学して、頑張らなければと、勇気をいただきました。
吉田全作さん、ありがとうございます。おいしいお酒持っていきますので、今度極楽風呂に入らせてください。
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