会社の行動経済学のワーキンググループに参加したらどうなった?
今年の1年間、会社で立ち上げられた「行動経済学を用いた問題解決のワーキンググループ」に参加して、社内で色々と活動してきました。
行動経済学とは、人間が必ずしも合理的には行動しないという事実を軸として、社会現象や経済活動を実証レベルで捉えようとする学問のこと。
従来の経済学が合理性を軸にしていたので、逆転の発想でもあり、ノーベル経済学賞にも取り上げられた新しい分野です。
勉強会を通じて行動経済学を理解しながら、実践として会社内の「トイレ混雑問題」の解決にトライしたり、問題解決のアイデア出しの研修を開催したりなど、業務と並行して進めた貴重な1年間でした。
ワーキンググループに参加した理由
この行動経済学は心理学的な手法を使うため、いまの自分の自分の仕事に直結することはありません。
ただ、SDGsみたいな社会的な課題に興味があり、参加しようと思いました。学問的な話も好きでしたので、それも関係していたかもしれません。
行動経済学は「不特定多数」を巻き込んで解決策を練るものです。相手の選択肢を絞り込みながら、裏で意図する方向に導くというもの。
このプロセスを考えることも、個人的に新鮮に感じられました。普段の仕事とは異なる発想を使うため、四苦八苦しながらも楽しく過ごすことができました。
取り組んだ課題(トイレの混雑問題)
社員の数に対してトイレの戸数が足りないということもありますが、限りあるトイレの戸数に対して、問題化していた混雑を極力減らすにはどうすれば良いか。
ターゲットはトイレでスマホをしている人に対して、なるべく早く外に出るように促すことでした。
実際に事前アンケートでトイレ内でスマホを操作している懸念が出ていたので、ここをターゲットとして解決に取り組みました。
ワーキンググループとして取り組んだのは2点。各個室に壁紙を貼ること、インターバルタイマーを設置することでした。
タイマーは物理的な要素が強く、これだけでは無視されて終わり。そこで、壁紙を見せながら心理的に居心地を悪くさせて、退出するように仕向けます。
壁紙もありきたりな「長居禁止」ではなく、ウルトラマンとタイマーの時間(3分)をかけたもの、困る人がいることを訴える内容など、思考を凝らしたものを何種類も用意しました。
このふたつを使い、夏ごろに実証実験をしました。次第に周りからも混雑がマシになったという感想をいただきました。
仕掛学の講演会
行動経済学の中でいまホットな分野とされている「仕掛学」。この話について前に記事を書きました。日本発の新しい分野だそうです。
実際に会社で提唱された先生を講師として招待して、ノウハウを講義いただきました。特に新鮮だったのは「効果的な仕掛けの三大要件」の話でした。
・仕掛けを通じて不利益を被る人がいない(公平性)
・強制的に誘導する雰囲気がない(誘引性)
・仕掛ける側と仕掛けられる側で目的が異なる(目的の二重性)
日本でも様々なところで取り入れらています。下記のブログはその一例(ピアノ階段)で、階段で上る人と下る人を整列させる効果を期待した仕掛けです。
また、仕掛学をテーマとした社内研修も実施して、講師として参加しました。講師は初めての経験で、大変でしたが良い思い出です(笑)。
おわりに
行動経済学に関する活動を振り返りました。プライベートのイベントで社会問題に触れるような類のボドゲ会に参加するようになったのは、今回の経験があったからこそです(今年参加したイベントをシェアします)。
また、グループリーダーとして1年間メンバーをまとめてきたのは、自分の新たな自信になりました。本業でも活かされることにもなりました。
普段は踏み込むことがない内容でしたが、来年度はまた違う形で参画できればと思います。社会の一員として問題解決に一助できればと思いながら。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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