【読書】小説/希望が死んだ夜に
あらすじ
一人の少女が循環中の警察官に現行犯逮捕された。
“同級生を殺害した”容疑だった。
少女は、
「私が殺した。理由は黙秘します。」
と一向に話そうとしない。
この事件を任された警察官は、今回の事件解決が出世のカギとなっていた為、この少女が殺したものとして強硬しようとする。
しかし、相方となった女性警察官がそれを阻止する。
一向に真実を語ろうとしない少女。
起訴までのタイムリミットが迫り、焦る警察官。
あの時本当は何があったのか。
事件は解決するのか。
というお話です。
感想
「あなたには生きてほしいから、あなたの前で一人死にます」
という言葉が印象的でした。
心中しようとしている相手にとってこの言葉は、
これ以上ない程残酷な言葉だと思いました。
しかし、この小説の中のこの言葉には、
「目の前でひどい死に方をすれば「こうなりなくない」と、生きてくれるのではないか」
という優しい願望が込められていました。
自殺では警察は動いてくれない。彼女は絶対に他殺だ。
咄嗟に考え、行動できることが私はすごいと思いました。
お互いがお互いのことを大事にしている様子が、
より結末を悲しくさせるように思いました。
『希望が死んだ夜に』著:天祢涼
是非読んでみてください。
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