【読書】小説/愛されなくても別に
あらすじ
主人公の少女は二十歳の大学生。
母親と暮らしているが、バイト代の8万円を家に入れることが約束されていた。家事もすべて彼女が担っていた。それは幼いころから変わらずだった。
ある時出会った女の子は、幼いころから春を売り、家計を支えることを強いられていた。
バイト先の先輩は、出来のいい弟といつまでも比較され、そんな日々に嫌気がさしていた。
学校で出会った女の子は、いつまでも親に監視され、そんな過干渉な親を避けていた。
それぞれが持つ、それぞれの事情。
この物語は、そんな彼、彼女らのお話。
感想
このお話の中では、それぞれの抱える過去やトラウマ、現状の問題点について色濃く描かれていました。
今現在、実際にこのような状況で必死に戦っている人はたくさんいるのだと思いました。
あってはならないけど、どこにでもある話。よく聞く話。
そんな風に感じました。
ここで描かれている話は全て家庭の話。
「親を許す、許さないは自分で決めていい。いくら社会や空気が謝罪を促しても、それは無視したって言い。それは権利だから。」
という文が印象的でした。
虐げられて生きてきた人は自分のことを犠牲にしてしまいがちだが、自分の気持ちに忠実に生きてもいい、むしろそう生きるべきだと感じました。
『愛されなくても別に』著:武田綾乃
是非読んでみてください。